欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想
欧州中央銀行政策金利予想(6月5日13時00分現在)
現行0.0%→0.0%で据え置き予想 エコノミストのレンジなし(全員0.0%)
その他の、中銀への預金金利(現行▼0.4%)及び限界貸付金利(現行0.25%)も前回同様にエコノミスト全員据え置き予想になっています。
明日、ECBは政策金利を公表しますが、今回もエコノミスト全員がレンジなしの現状据え置き予想となっています。
今回会合の注目点として、
6月4日(火)発表のユーロ圏5月消費者物価指数(年率)が前月1.7%に対して1.2%、コア指数も同1.3%に対し0.8%になり、中銀のインフレ目標値中間(2%)からはほど遠い状況になっていること。
世界貿易の先行きに暗雲が流れていることです。
また、ECB金融政策後のドラギ総裁記者会見では、ECBバランスシートの縮小は急がないなど、長期リファイナンス(TLTRO)に関するオペレーションに関して具体的な施策内容を述べると予想します。
尚、前回2019年4月10日のECBドラギ総裁記者会見要旨の一部抜粋を添付します。(箇条書きにしてあります)
@主要なECB金利は据え置きを決定した。現行水準を少なくとも2019年末までは継続すると予想している。これによりインフレ低下を防ぎ、中期目標の2%に近付くとみている。
A満期の債券は資産購入プログラムに準じて全額再投資する。期間はECB主要金利を引き上げる時点まで行う。
B運営審議会は目標とするインフレに向かうまでは、適切、適当と思われる手段全てを使い、調整する準備をしている。
C成長を阻害する幾つかの国内要因、ユーロ圏に向かう世界的な逆風などの兆候がある。地政学要因による不確実性、保護主義貿易や新興国などの脆弱性が経済のセンチメントに跡を残している。
D同時に、雇用は一層改善し、上昇する賃金により国内経済の下支えをしており、徐々にインフレを引き上げている。しかしながら、金融緩和は好ましい資本市場情勢の安全弁であり、経済拡大を支えている。インフレはまだ目標以下であるが、次第に2%に近づき、中期的には越えると見ている。
E 重要な金融政策はECBの主要金利がフォーワードガイダンスによって用意され、新しいTLTRO(金融機関への長期資金供給策)によっても補強される。
F (経済状況は前回と同じで略)ユーロ圏を取り巻くリスクは依然として下方に行くものが多い。これは地政学上の不確実性、保護主義や新興国での脆弱性である。
(一部省略)出所:ECB HPから
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
ユーロドル相場は今年の1月からスタートしているユーロ安トレンドが1.1030〜1.1310米ドルまで下がってきました。ここ数ヶ月はこのレンジ内の1.1100〜1.1260米ドルで上下を試してきましたが、最近の米金利大幅低下に、ユーロの買戻しが入り、現状では1.1260の抵抗線を上抜けかけています。
もしこのまま行くとレンジ上限トライになります。明日のECBで金融緩和を実施すれば上値トライへのリスクは少ないですが、先行きの緩和を示唆する内容が出ないと現状のユーロ買戻しが進む可能性があります。一方で、1.1210〜20米ドルにあるサポートを切ってくると、まだ暫く1.1100〜1.1260米ドルレンジでユーロ弱い状態が続きそうです。
(2019年6月5日14:00、1ユーロ=1.1262ドル、=121円73銭)
オーダー/ポジション状況
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