日銀総裁会見中にドル円株一段安
東京時間終了後に行われた日銀の黒田総裁による金融政策決定会合後の記者会見は円高、株安への歯止めとはならなかったようです。
109円台を維持していたドル円は海外勢が参加する時間とも重なったためか一段の下値探りをする展開となり会見中安値108.06をつけました。また、日経平均先物も会見中に安値16,375円をつけていて、今日の場中での高値17,580円からは1,200円ものマイナス、日経平均株価の一目均衡表の雲を下に突き抜ける水準まで下落しています。
会見で総裁は必要ならば躊躇なく三次元での追加緩和を実施するとの従来の方針を繰り返しました。
今回については政策浸透効果を見守るとしたマイナス金利の効果が現れるのは数ヶ月ではないが半年一年かかるものでもないとの時間的な見通しも示しました。
また、先週来株価上昇、円安のひとつのきっかけになった金融機関向けの日銀貸付に関するマイナス金利の議論は今回されておらず、現状では考えていないと明言しました。
会見は基本的には従来のコメントの延長線上で、特に目新しかったのが貸出のマイナス金利を検討していないという部分だけだったことから、為替市場、株式市場の反発材料とはならなかったものと思われます。
これから本格的に海外勢が参入してくる時間となり、また、明日から本邦が連休に入る中、株・為替ともに下値懸念を残しての連休入りとなりました。
黒田総裁は会見中に否定しましたがFOMC、日銀と続いた今週の中銀イベントは、結果として取ったスタンスは同じでありながら、慎重に市場との対話をとった形のFRBとそれに必ずしも成功していない日銀との違いを際立たせる形で市場に混乱を残して終了しました。
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