豪州政策金利(キャッシュ・レート・ターゲット)
本日13時30分に豪州中銀からキャッシュレート(政策金利)が発表されます。
豪州準備銀行(中銀)政策金利予想(5月7日9時00分現在)
現行1.5%→1.25%で0.25%利下げ予想 エコノミストのレンジ(1.25〜1.50%)
今回の金融政策でエコノミストは利下げ予想になっています。
予想レンジは前回と変わりませんが中間値で1.25%ですので、大半が利下げ予想になっています。もし利下げが実施されれば2016年7月(1.75%→1.50%)に利下げ実施依頼、33ヶ月ぶりの金利変更になります。
また、エコノミストの先々見通しも大きく下方修正されています。前回では1.50%の据え置きが来年2Qまでありましたが、今回は年内にもう1回の利下げを予想し、1.0%まで政策金利が下がる見込みになっています。しかもレンジ上限では前回2020年1Qから利上げ予想していたエコノミストがいなくなり、利上げ予想は無くなっています。世界的な景気減速見通しに加え、新たに米中貿易関税賦課問題の勃発で、対中への貿易額が大きい豪州経済への懸念を先取りした利下げ見込みになっている様です。
また、明日はNZ中銀の金融政策が公表され、エコノミストは現行の1.75%⇒1.50%への利下げ予想になっています。金曜日には豪州中銀の四半期金融政策報告も発表されますので、今日の政策要旨を含めて、先行きの経済見通しとその金利政策には要注意となりそうです。
前回(4月2日開催の議事録要旨)の中銀要旨は下記になっています。豪州経済部分のみを抽出していますが、この内容がどの程度変わってきているのが、細部の見比べが必要になりそうです。
「…豪州の労働市場は依然強い。雇用の著しい増加が見られ、失業率は4.9%になった。求人率は高く、幾つかの分野で専門職が不足している。強い雇用はいずれ賃金の伸びを上げ、先行きの進展には歓迎である。労働市場の継続的な改善により賃金上げを期待されているが、その歩みは緩やかである。
GDPは労働市場のデータで分析したよりは弱いことを示している。12月末期GDPは四半期比で僅か+0.2%であった。2018年末では前年比+2.3%だった。家計消費の弱さがGDPに影響しており、これは実質可処分所得や住宅市場の弱さに原因がある。また、国内一部地域の干ばつが農業部門に影響を与えた。これらを帳消しにする位に、公共インフラ投資の伸びや、堅調な雇用に守られて民間企業の投資が成長を支えている。
中古住宅市場の調整は続いている。これは幾つかの都市で、かつての価格急上昇が影響している。状況は依然弱く、賃貸インフレは低いままである。(住宅購入のための)借入の条件は一部できつくなっている。同時に、住宅投資家による重要が減少し、住宅市場のダイナミックさが無くなっている。住宅金利は依然低いが、借入者の条件競争がきつくなっている。
インフレは低く安定的である。現状のインフレは今後2〜3年で、緩やかに上昇していくと見ている。これは当初の予想期間よりも延びた。今年のインフレ中央値は2%に近づき、2020年には2.25%と予想している。直近のインフレは下がると見られ、これは原油価格の下げの影響である。
低い水準の金利は引き続き豪州経済を支えている。雇用の更なる改善やインフレは目標値に向かうと予想している。ただその進展具合は緩やかである。現状利用できるデータを見て、委員会は、今回の会合で政策金利を現状のまま据え置くことが適切である判断した。委員会は引き続き、金融政策が経済の進展にかない、中銀目標のインフレ値になる様に注視していく。」
次回金融政策発表は2019年6月4日(火曜日)に予定されています。
豪ドル米ドル相場は豪州ドル安が続いています。現在は大きなレンジで0.6935〜0.7185米ドルの豪ドル安トレンドラインを形成しています。このレンジ下限手前の0.6960〜65米ドルに比較的強いサポートがあります。もし利下げを実施した場合は、トレンドライン下限の0.6935米ドルをトライし、下抜けた場合は一段安となり、年初の長い下ヒゲ0.6745米ドルまでの余地が開けてきます。逆に利下げ見送りの場合はショートカバーとなり、0.7060〜70米ドルにある抵抗線、更に0.7100〜10、0.7150米ドルの順に抵抗線が控えています。
政策金利推移(2018年4月末までと5月予想値…黒い線右側)
オーダー/ポジション状況
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