NZ中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はオフィシャルキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。今回も予想通りの結果となりました。
要旨内容は、前回9月時点の「…次のOCRの動きは上げも下げもある。…」が削除され、新たに「…いつも同じだが、いかなる将来のOCR変更のタイミングや方向性はデータに依存していることである。」が加わりました。
将来的なインフレ見通しやGDP拡大傾向についての記述に大きな差異はありませんが、改めて経済の下方リスクをクローズアップさせているので、戻り始めたNZドル買いを抑え込みたいニュアンスを感じさせ、一方で指標の結果次第では見方が変わることも述べています。
さて、今朝の金融政策発表前に0.6785〜90米ドルで推移していたNZドルですが、発表後の30分間に0.6773〜0.6814米ドルのレンジ(約40ピップス)を作り、現在もそのレンジ内に収まっています。予想通りの内容でしたので、現在までのところあまり材料視さていません。今日の米国FOMC待ちになっていると思われます。因みに、昨日の失業率の結果レポート後はNZドルが一段と買われ、0.6810米ドルにある抵抗線に阻まれている時間帯にいます。この上の抵抗線は0.6840〜50米ドルにあり、一方でサポートは0.6760、0.6720〜30米ドルにあり、後者が強くなっています。
(11月8日11:05、1NZドル=0.6781米ドル)
尚、中銀の金融政策要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
オフィシャルキャッシュレート(OCR)は1.75%のままである。
我々はOCRを2019年・2020年通して維持すると予想している。
成長とインフレ見通しに関しては上下にリスクが存在している。いつも同じだが、いかなる将来のOCR変更のタイミングや方向性はデータに依存していることである。
6月のGDP上昇は一時的要因によるものである。引き続き拡大を続けていることを示す企業調査をみると、最近では軟化する兆候を示唆している。雇用は最高水準を維持している。しかしながら、コアになる消費物価指数は依然中銀目標の中間値である2%以下となっている。これは金融政策の継続的なサポート必要としている。
GDP成長は2019年には上昇すると予想されている。金融刺激策と人口増が家計消費と企業投資を支えている。インフラ整備の政府支出や住宅もまた国内需要を支えている。最近までのNZドルの水準も輸出拡大を支えている。
稼働率の圧力が進み(ボトルネックを指していると思われます)、コアの消費物価インフレは中銀目標値の中間である2%に向けて上昇していくだろう。
先々の成長の下方圧力も存在している。弱い企業センチメント(先々の投資などの見通しが弱い)が、長期間に亘り成長の重石になっている。貿易問題の緊張が主要国間に存在している。これが貿易障壁を高めるリスクに繋がり、世界成長を下げる。
インフレ見通しの上昇圧力もまた存在している。高騰する原油価格が最近のインフレを高めている。我々はこのボラティリティを適切に見ていく必要がある。我々の見通しでは、一般的な消費価格まで、この高コストが転嫁されるのは限定的と予想している。そして長期的なインフレ見通しは我々の目標に向かっていくと予想している。
我々は、雇用を最大限拡大できるようにし、インフレを低く安定的にできる様、暫くの間、OCRを維持するだろう。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2019年2月13日(木曜日)に予定されています。
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