豪ドル/円、短期は弱気。84円台を守り切れば反転の可能性も。
6日に発表されたオーストラリアの第3四半期GDPは前期比で+0.6%、前年比で+2.8%と予想比で若干弱めの数値となりました。この結果を受けて豪ドルは対ドル、対円で売り圧力が強まりましたが、内容的には貯蓄率の低下が認められた程度で、失望売りに繋がる材料ではありませんでした。また、この前日に発表された小売売上高も市場予想より良い結果となり、オーストラリア経済は緩やかな拡大基調が認められます。中銀は労働市場が好調な一方で、労働賃金の伸び率の低さが今後の消費に与える可能性を懸念しているものの、現在の金融政策を維持しつつインフレターゲット達成を目指すとしています。為替市場はトランプ大統領の発言や地政学的リスクに反応する動きとなっています。
チャートを見ると、6日の日足は実体のやや大きい陰線引けとなり、下値を切り上げて来た流れを打ち消した格好となりました。また、前日の陽線が86円トライに失敗して押し戻されており、短期トレンドは豪ドル弱気の流れを変えていません。84円台は中期的な下値抵抗が厚いポイントでもありますが、85.52に位置する21日移動平均線や85.89にある200日線も下抜けた位置で推移しており、短期的には一段の下落リスクに注意が必要です。
一方週足は、小陽線で切り返して上値トライの可能性に繋げていますが、31週移動平均線が86.29に位置しており、今週の上値トライでもこれにぶつかって押し戻されています。また、昨年6月に付けた72.53を起点とする中期的なサポートラインを下抜けた位置で推移しており、この週足の上値抵抗は86.30-40にあり、中期トレンドも豪ドル弱気の流れに入り込んでいます。また、84円台を維持できずに越週した場合は82〜84円ゾーンでもう一段下値を模索する動きとなる可能性が高くなります。週足の上値抵抗は86.30-40に、下値抵抗は84.00-10、83.00-10にあります。62週移動平均線は85.11に位置しており、現状はこの下で推移していますが、85.50超えで越週すれば反発に転ずる足掛かりとなる可能が残ります。31ヶ月移動平均線は84.51に位置しており、現状はサポートした状態にありますが、形状が弱いので下値リスクがより高く、大幅な反発にも繋がり難い形です。
豪ドル/円【週足】:(12/6現在31週移動平均線は86.29にありこの下に入り込んで下値リスクが高い状態。62週線は85.11にありこれを守り切れば反転の足掛かりとなる可能性も)
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