円高進行、日本株は反発
危険な状況も充分ありえたこの週末の北朝鮮情勢をまずは乗り切った本日の東京市場で、日本株は前週末の地政学リスクをやや割り引く動きが出て5営業日ぶりに小幅反発、日経平均株価の終値は19円高の18,355円となりました。
一方ドル円は前週末の予期せぬ米CPIの悪化に、長期金利も2.20%を一時割り込む動きとなり、円一段高の108円台前半での取引となりました。
北朝鮮をめぐる状況の不透明感は週明けも払拭できず、訪韓中の米国のペンス副大統領は軍事境界線を視察、北朝鮮への「戦略的忍耐の時代は終わった」と発言、中国が北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル開発の問題に対処しない場合には米国が自ら対応するとしたトランプ大統領の姿勢を再度強調しました。ペンス副大統領は明日訪日し、安倍首相と北朝鮮問題についても協議する予定です。
一方、北朝鮮の金正恩委員長はシリアのアサド大統領に独立71周年の祝電を送り、「最近のシリアに対する米国の侵略行為を糾弾する」と非難。これはシリアが15日の北朝鮮の祝賀行事への祝電での「列強の野望」への共闘の呼びかけに応えたものです。
また、北朝鮮は今月中国外務省からの会談の呼びかけに返答しなかったとも報道で伝えられており、どの方向からも事態の沈静化の兆候は見られていません。
少なくとも25日の朝鮮人民軍設立85周年記念までは現在の北朝鮮をめぐる地政学リスクが弱まることはなさそうで、加えて今週末はフランス大統領選も控えており、今週も株、ドル円も積極的にリスクをとりにくい上値の重い展開が続きそうです。
本日は午前中に中国の1QのGDPが発表され前年比で事前予想をやや上回る6.9%となりました。政府のインフラ投資等の景気刺激策が奏功した模様です。また、同時に発表された3月の小売売上高、鉱工業生産も軒並み予想を上回り、中国経済の堅調さを裏付けました。
今晩米国では21:30 NY連銀製造業景況指数、23:00にNAHB住宅市場指数等の指標発表があります。欧州では本日もイースターで休場のところが多く、欧州時間帯は流動性の低い状態が続いています。
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