トランプ期待で上昇するも週末弱い、雲上限でのもみ合いか
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、10月消費者物価指数(CPI)発表後は売られるも、米大統領選の結果を受けて上昇する場面も見られた。
トルコ統計局が4日に発表した10月CPIは前年比で48.58%上昇。前月比では2.88%と市場予想をともに上回る結果となった。シムシェキ財務相は、インフレとの戦いで「硬直性を取り除くには時間がかかる」と認めており、市場では利下げ実施は年明けになるとの公算が大きくなった。
CPI発表後のトルコリラは高金利継続に伴う経済への影響が嫌気されて、やや売り優勢となったが、米大統領選ではトランプ氏が勝利。ボラト貿易相は、次期トランプ政権がトルコの鉄鋼・繊維製品に対する関税を引き下げるとメディアで発言し、次期トランプ政権がトルコの防衛産業に恩恵をもたらすとの見方も示した。
トランプ氏勝利を受けて、トルコ経済へのポジティブな見方が強まったことで、トルコリラは上昇。週末は下落したが、一時8月2日以来の4.5円台まで上昇した。
トルコリラ・円(東京時間:11月4日―11月8日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.4567円
高値:4.5343円
安値:4.3976円
終値:4.3976円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
11月4日
16時00分、10月消費者物価指数(前年比)、前回:49.38%、市場予想:48.50%、結果:48.58%
16時00分、10月消費者物価指数(前月比)、前回:2.97%、市場予想:2.70%、結果:2.88%
16時00分、10月生産者物価指数(前年比)、前回:33.09%、結果:32.24%
16時00分、10月生産者物価指数(前月比)、前回:1.37%、結果:1.29%
11月11日
16時00分、9月失業率、前回:8.5%
16時00分、9月鉱工業生産指数(前年比)、前回:−5.3%
16時00分、9月鉱工業生産指数(前月比)、前回:−1.6%
11月12日
16時00分、9月経常収支、前回:43.2億ドル
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、トランプ氏の存在が買い材料ではあるが、週末の下げへの警戒感がやや先行しそうな状況だ。下落材料は観測されていないが、トランプ氏勝利に伴う6日の上昇分がはく落していることから気になるところだ。
週明け11日に9月の鉱工業生産指数と失業率という重要な経済指標が発表されることから要注目だ。先週のCPIや生産者物価指数の高止まりを受けて、年内利下げ観測が後退し、景気への影響がネガティブ視されている。11日の経済指標も強かった場合、引き続きインフレ抑制に主眼が向かい、利下げ観測はより後退しそうだ。
日足の一目均衡表では、雲上限や100日移動平均線を上回った後は、上値が重くなっている。じりじりと切り下がる雲上限や100日移動平均線に沿った動きとなる可能性もあろう。反発基調から上昇基調に転換しそうな場面だっただけに調整色が強まるかもしれない。基準線水準で下げ止まるか注目したい。
トルコリラ円日足
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