売り圧力強い地合い、93円水準までの一段安に警戒
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、市場予想を下回る経済指標を受けて、年内利下げ観測が高まったことから売り圧力が強まり50日移動平均線を下放れる展開となった。
17日、NZ統計局が発表した第2四半期消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%で、市場予想(同3.5%)を下回った。また、12日に民間団体が公表した6月製造業購買担当者景気指数(PMI)も41.1と、好不況の分かれ目となる50を大きく下回っていたことから、年内利下げ観測が強まり、NZドル売り圧力が強まった。
また、暗殺未遂事件以降、発言力が増したトランプ前大統領による「円安ドル高批判」を背景とした主要通貨に対する円全面高も売り材料となった。週末は下げ渋る動きを見せたが、2週連続で2円超下落する弱い地合いとなっている。
NZドル・円(東京時間:7月15日―7月19日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:96円59銭
高値:96円71銭
安値:94円47銭
終値:94円86銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
7月17日
7時45分、第2四半期消費者物価指数(前期比)、前回:0.6%、市場予想:0.5%、結果:0.4%
7時45分、第2四半期消費者物価指数(前年比)、前回:4.0%、市場予想:3.5%、結果:3.3%
7月22日
7時45分、6月貿易収支
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、短期反発を狙いたいところだが、引き続き下値模索の展開となりそうだ。オーストラリア経済よりもニュージーランド経済の方が弱いことから、豪ドルと比較しても相対的に弱い動きとなろう。
先週から今週の下げは、投機筋による円売りポジションの巻き戻しや日米株安など外的な要因も大きいが、10日のニュージーランド準備銀行(NZ中銀)による「ハト派」な声明が根本要因であると考える。10日の声明では「国内で生じた物価圧力の一部は依然として強いものの、生産能力への圧力と企業の価格設定志向の低下に伴い、インフレの持続性が緩和する兆候がある」と公表。5月時点比較では明確に「ハト派」な内容となったなか、その後、弱い経済指標が相次いだことからNZドルは下への圧力が強まったと想定する。
短期的なテクニカル面では、下値支持線として期待していた50日移動平均線を明確に下放れた。日足の一目均衡表の雲上限でも反発とならなかったことから、100日移動平均線が位置する94円水準、もしくは雲下限の93円60銭水準を試す展開もある。遅行スパンが実線を下回り、転換線、基準線がともに下向きとなっておりトレンドは悪化。大幅な下落を受けて、短期的にはリバウンドを狙いたいところだが、一段安は引き続き警戒したいところだ。
NZドル円日足
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