史上最高値水準から2円超下落、短期的なリバウンドを狙いたいところ
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、ニュージーランド準備銀行(NZ中銀、RBNZ)が想定よりもハト派な声明を行ったことで上値が重くなったなか、6月米消費者物価指数(CPI)発表のタイミングで米ドルが急落、円が主要通貨に対して全面高となったことで、NZドルは2円ほど円高NZドル安が進行した。
10日、NZ中銀は、政策金利のオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を8会合連続で5.5%に据え置いた。インフレが予想通りに鈍化すれば、制約的な金融政策を徐々に緩和する可能性があることを示唆。想定よりも「ハト派」な内容だったことで、史上最高値水準の99円台から一時98円台を割り込む場面も見られた。
その後、11日に発表された6月米CPIが前月比、前年比で市場予想を下回る結果となったほか、コアも下回るなどディスインフレを強く意識される内容となったことから、米10年債利回りは一時4.16%まで低下。米ドルが161円台半ばから157円44銭台と一気に4円超円高ドル安が加速したことから、NZドルも2円強円高NZドル安が進み、96円30銭まで下落した。
NZドル・円(東京時間:7月8日―7月12日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:98円78銭
高値:99円21銭
安値:96円30銭
終値:96円74銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
7月10日
11時00分、NZ中銀政策金利、前回:5.50%、市場予想:5.50%、結果:5.50%
7月17日
7時45分、第2四半期消費者物価指数(前期比)、前回:0.6%
7時45分、第2四半期消費者物価指数(前年比)、前回:4.0%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、11日から12日にかけての急落に対する反動を試す展開となりそうだ。市場では、6月米CPIをきっかけとした主要通貨に対する円全面高の展開は、日本政府による円買い介入実施によるもの、との見方がある。CPI発表後に、ドル・インデックスが104.7から104付近まで急落したことで、単純に米ドルが売られた部分もあるが、それ以上に円が主要通貨に対して全面高に振れたことから、円買い介入が実施された可能性は十分ある。もっとも、仮に円買い介入実施であれば、「効果は一時的」といった見方から、押し目を狙うようなリバウンドが入ると考える。
一方、NZ中銀は声明で「国内で生じた物価圧力の一部は依然として強いものの、生産能力への圧力と企業の価格設定志向の低下に伴い、インフレの持続性が緩和する兆候がある」と公表するなど、5月時点よりも「ハト派」な声明となったことは意識しておきたい。経済的なつながりが強く、連動性が強い豪ドルほど強い戻りは期待できないと考える。
短期的なテクニカル面では、今回の急落局面で50日移動平均線をサポートに下げ止まっていることから下値は限定的と見る。日足の一目均衡表では、転換線が下向きとなっており、これまでよりも短期的なトレンドは弱くなっているが、まだ雲上限より上を推移していることから、トレンドは強いままと言えよう。短期的にはリバウンドを狙いたいところだ。
NZドル円日足
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