外部環境次第だが、07年7月以来の97円台を意識へ
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、年初来高値を更新(96円87銭)する強含む地合いも見られたが、経済的なつながりの強い中国やオーストラリアの経済状況に対する不透明感が重しとなり96円水準でのもみ合いとなった。
民間企業の財新が発表した5月製造業PMIなどは前月比で伸びを見せる強い結果となったが、5月末の政府発表PMIが弱かったことで、中国経済の回復期待はやや後退。また、第1四半期の豪GDPが市場予想を下回る弱い数字となったことで豪ドルは104円台から102円台に下落。
NZドルは、豪ドルが急落した4日につられ、1円50銭ほど円高に振れる場面が見られたものの、すぐに96円台を回復。上値は重くなったが、年初来高値圏での推移は継続した。
NZドル・円(東京時間:6月3日―6月7日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値:95円54銭
高値:96円87銭
安値:95円25銭
終値:96円50銭
【今週と来週の重要指標】
※時間は東京時間
6月7日
7時45分、第1四半期製造業活動、前回:−0.7%、結果:0.7%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、国内で目立った材料がないことから、日米中銀会合の結果及び豪ドルの動向に振らされそうだが、相対的にはNZドル高の地合いが続き、2007年7月以来の97円台を試す地合いを想定する。
米国では11日−12日には米連邦公開市場委員会(FOMC)、日本では13−14日に日銀金融政策決定会合を控えている。FOMCではドットチャート発表で利下げ回数の見通しの変化に注目が集まっており、日銀会合では国債の買入額の減額はほぼ織り込まれているなか、追加の利下げ実施のタイミングに注目が集まっている。FOMCはややタカ派、日銀会合はハト派な内容となると考えるが、FOMC結果もハト派な内容となった場合、ドル安が進むことから、NZドルは対ドル、対円(日銀会合の結果、ハト派だった前提)で強い動きを見せる可能性がある。もっとも、ドル、円は様々な思惑で乱高下する地合いも想定されることで、NZドルも上下に振れるだろう。
NZドルしっかりの背景は、ニュージーランド準備銀行(NZ中銀)による利下げ実施の後ずれ観測という材料がある。NZドル自体は買われやすい局面だが、外部環境に左右されやすい状況のためポジション管理は気を付けたい。
テクニカル面は堅調を維持している。日足の一目均衡表では、転換線を割り込む場面も見られたが、20日移動平均線が下値支持線として意識されて反発し、転換線を回復。短期的な下げは一巡したと考える。下値を切り上げつつ、年初来高値を更新していることからトレンドは強い。上値を意識した地合いはしばらく続くと想定し、2007年7月以来となる97円台を視野に入れた展開を想定する。
NZドル円日足
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