週末にポジション調整入るも、強いトレンドは変わらず
【今週のNZドル】
今週のNZドルは、引き続きニュージーランド準備銀行(NZ中銀)による利下げ実施の後ずれ観測を背景に上昇。5月28日には96円76銭まで買われたが、日本株下落を発端とした円売りポジションの巻き戻しが進み、上げ一服となった。
目立った経済指標の発表が無かった一方、4月29日戻り高値95円36銭を早々に上回ったNZドルは、主要通貨に対して強い動きが継続。対豪ドルでも強い動きを見せ、NZドルは3月20日以来の水準まで対豪ドルで買われた。
ただ、日本の長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが1.100%台まで上昇するなど、金利上昇に対する日銀による金融政策の早期正常化への警戒感などから日本株が下落。株安に伴うリスク回避が強まったことで、円売りポジションのアンワインド(巻き戻し)が加速し、週末にかけてNZドルはやや利益確定の流れが強まった。
NZドル・円(東京時間:5月27日―5月31日(終値は9時台終値を参照))※Investing.comの日足を参照
始値:95円93銭
高値:96円76銭
安値:95円43銭
終値:95円98銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
5月29日
10時00分、5月ANZ企業信頼感、前回:14.9、結果:11.2
5月30日
7時45分、4月住宅建設許可、前回:−0.2%、結果:−1.9%
6月7日
7時45分、第1四半期製造業活動、前回:−0.7%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週のNZドルは、日本や米国の金利動向をにらんだ展開のなか、基本的にはNZドル高の地合いが続き、2007年7月以来の97円台を試す地合いを想定する。
米国では6月第1週に雇用関連の重要指標発表を予定しており、第2週の11日−12日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。日本でも13−14日に日銀金融政策決定会合を控えていることで、日米中銀会合を前に思惑的な相場展開となりやすく、日米金利は上下に動きそうだ。FOMCのポイントはドットチャートにて24年利下げ回数が減少するかどうか、日銀会合は、国債買入の減額や追加の利上げに関する具体的な金額や時期の言及の有無などが主軸となろう。重たい中銀会合となることで市場も神経質なムードが強まると考える。
NZドル上昇の背景は、NZ中銀による利下げ実施後ずれ観測という明確な材料があるので、NZドル自体は買われやすい局面だが、対ドル、対円を考慮すると一筋縄ではいかない状況のため、楽観は禁物だ。
テクニカル面はまだ堅調を維持している。日足の一目均衡表では、転換線を割り込む場面も見られたが、5月30日は下影(下ヒゲ)を残し、転換線水準を回復。短期的な下げは一巡したと考える。戻り高値更新で中長期的にもトレンドは強いことから、テクニカル面は良好と言えよう。上値を意識した地合いはしばらく続くと想定し、2007年7月以来となる97円台を視野に入れた展開を想定する。
NZドル円日足
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