トルコリラ円見通し ドル円の反騰を追いかけるも5連騰ならず、4.85円前後に抵抗感(24/5/13)

トルコリラ円の5月10日は概ね4.84円から4.80円、11日早朝の終値は4.81円で前日終値4.82円からは0.01円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し ドル円の反騰を追いかけるも5連騰ならず、4.85円前後に抵抗感(24/5/13)

ドル円の反騰を追いかけるも5連騰ならず、4.85円前後に抵抗感

〇トルコ円、5/10は前日高値4.85超えへ進めず失速、5連騰ならず。週間では0.08の円安リラ高
〇対ドル、5/11早朝終値は32.20、週間では5/3終値32.33から0.13のドル安リラ高
〇終値ベースで31リラ台続く場合、リラの先高期待も増す可能性あり
〇5/10発表の3月トルコ失業率は8.6%で2月から改善。トルコ鉱工業生産は低調
〇今週は5/13に3月経常収支、5/15に4月財政収支が発表予定
〇4.80上回るうちは上昇再開余地あり、4.85超えからは4.87前後への上昇を想定。4.86以上は反落注意
〇4.80割れからは4.77前後への下落を想定。4.77以下は反発注意

【概況】

トルコリラ円の5月10日は概ね4.84円から4.80円、11日早朝の終値は4.81円で前日終値4.82円からは0.01円の円高リラ安だった。週間では5月3日終値4.73円から0.08円の円安リラ高だった。
ドル円が二度の覆面市場介入を挟んで4月29日高値160.16円から5月3日夜安値151.85円まで大幅下落したため、トルコリラ円も4月29日午前高値4.92円から5月3日夜安値4.69円まで大幅下落したが、ドル円が5月3日夜の米雇用統計通過を当面の売り材料消化として買い戻し優勢となり5月6日から10日まで5連騰で戻したためにトルコリラ円もドル円に合わせて6日から9日まで4連騰したが、10日は9日高値4.85円超えへ進めずに1日早朝へ失速したため連騰を伸ばせなかった。

【市場介入を警戒しつつドル円を慎重に追いかける】

ドル円は4月29日高値から5月3日安値まで8.31円の下落幅となったが半値戻しラインの156.00円手前で足踏みしている。4月29日の祝日における介入(推定5兆円規模)と5月2日早朝のFOMC明けの介入(推定3兆円規模)と市場にとっては不意打ち的な時間帯で介入が行われ、一度目の介入水準への到達を待たずに二度目の介入を行ったため、現状の半値戻し近辺で戻り売りを誘う三度目の介入を行う可能性も警戒されるところだ。しかし155円台序盤へ下げたところを買われて確りしており、円安基調そのものはまだ継続するのではないかとの思惑で156円超えを伺う位置をキープしている。

今週は米PPIとCPIの発表があり、内容次第では9月利下げ開始期待度も大きく変化するため、それらをドル高要因として一段高する場合には市場介入姿勢が問われることとなり、逆にドル安要因となった後に追撃的な介入があれば急落を招く可能性もあるため、神経質な展開を続けやすいと思われる。
トルコリラ円としてはドル円の上昇時に付けた4月29日高値4.92円を超えれば5円台への上昇期待も高まるところだが、4.70円台中盤へ失速する場合は5月3日安値4.69円を再び試しに向かう懸念も強まるところであり、ドル円の動向を追いかけつつ臨機応変に対処したいところだ。

【ドル/トルコリラは4月後半からリラ買い優勢の流れ】

ドル/トルコリラの5月10日は概ね32.34リラから31.97リラの取引レンジ、11日早朝の終値は32.20リラで前日終値32.24リラから0.04リラのドル安リラ高となり、週間では5月3日終値32.33リラから0.13リラのドル安リラ高だった。
4月12日に取引時間中の史上最安値を33.03リラへ更新し、終値ベースでは4月24日終値32.54リラへ史上最安値を更新したが、その後はリラ売りにブレーキがかかってリラ高基調で推移している。4月25日にトルコ中銀が政策金利の週間レポレートを50%で据え置きインフレ抑制のための利上げ状態を継続するとしたこと、大手格付け会社S&Pがトルコ格付けを引き上げたこと、トルコ金融経済政策正常化の継続により高インフレが年前半で落ち着き年末にかけてはインフレも落ち着いてトルコ景気が活性化するのではないかとの期待感が4月12日の取引時間中最安値及び4月24日の終値ベースの最安値を起点としたリラ高を支えている印象だ。

5月13日午前は32.21リラから32.08リラのレンジで推移しているが、5月9日高値31.92リラと10日高値31.97リラで32リラ以下を試し始めており、終値ベースで31リラ台を続ける場合はリラの先高期待も増す可能性があると思われる。
ただし、年末のドル/トルコリラ水準に対する市場予想のコンセンサスは依然として1ドル40リラ前後の水準で変わりないため、海外からの投資を呼び込むためには新たな刺激材料が欲しいところだ。

【トルコ失業率は改善傾向、鉱工業生産は低調】

5月10日に発表された3月のトルコ失業率は8.6%となり2月の8.7%から改善した。1月の9.0%から2か月連続の改善だが、長期傾向としては2020年7月の14.1%をピークとして低下傾向が続いており、昨年10月に8.6%まで改善してこれまでの最低としたところからやや悪化したものの再び最低水準へ持ち直している。2012年6月には8.1%まで低下したこともある。
3月のトルコ鉱工業生産は前月比0.3%減となり2月の2.8%増から悪化し、前年同月比も2月の11.2%増から4.3%増へ悪化した。前年同月比は2023年2月にトルコ・シリア大地震により8.8%減へ悪化したところとの比較により今年2月はベース効果で大幅な増加となったものの傾向としては昨年7月の8.3%増から低下傾向にあり、4月以降に顕著な増加ペースを見せられないうちはトルコ経済活性化への期待も高まらないところだ。
今週は5月13日に3月の経常収支、15日に4月財政収支の発表があるがいずれも前月から悪化と見込まれている。5月16日には週次外貨準備高の発表があるが、前週に改善した流れを継続できるか注目される。

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

【60分足 一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、5月8日夜高値をサイクルトップとして高値更新から新たな強気サイクル入りとしていたが、5月9日夜に一段高したために10日午前時点では9日午前安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして13日夜から15日夜にかけての間への上昇を想定した。
5月10日深夜への上昇では高値更新へ進めずに11日早朝へ反落したものの9日午前安値割れには至らずにいるのでまだ上昇余地ありとするが、9日午前安値を割り込む場合は弱気サイクル入りとして14日午前から16日午前にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では4.80円台前半で持ち合い型の推移に入っているため方向感に欠けるが、11日早朝に先行スパンから一時転落したところから戻しているので遅行スパン好転中は高値試し優先とし、次に連続的な下落で先行スパンから転落する場合は下落期入りとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は5月8日から9日夜への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられ、11日早朝には30ポイント台へ低下したが、その後は50ポイント台を回復しているのでまだ上昇余地ありとするが、次に40ポイントを割り込むところからは下げ再開とみて30ポイント以下への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.80円を下値支持線、4.85円を上値抵抗線とする。
(2)4.80円を上回るうちは上昇再開余地ありとし、4.85円超えからは4.87円前後への上昇を想定する。4.86円以上は反落注意とするが、4.82円を上回っての推移なら14日も高値試しへ進みやすいとみる。
(3)4.80円割れからは4.77円前後への下落を想定する。4.77円以下は反発注意とするが、4.80円以下での推移なら14日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

5月13日
 16:00 3月 経常収支 (2月 -32.7億ドル、予想 -38.0億ドル)
 16:00 3月 小売売上高 前月比 (2月 3.5%)
 16:00 3月 小売売上高 前年同月比 (2月 25.1%)
5月15日
 17:00 4月 財政収支 (3月 -2090億リラ)
5月16日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 5月10日時点 (5月3日時点 691.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 ネット 5月10日時点 (5月3日時点 210.8億ドル)
 
5月23日
 20:00 トルコ中銀政策金利発表



注:ポイント要約は編集部

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