トルコリラ週報:『急ピッチな上昇の反動でじり安推移。来週はトルコ3月CPIがメインイベント』(3/30朝)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/21に記録した高値4.78円をトップに反落に転じると、週末にかけて、一時4.63円まで反落しました。

トルコリラ週報:『急ピッチな上昇の反動でじり安推移。来週はトルコ3月CPIがメインイベント』(3/30朝)

『急ピッチな上昇の反動でじり安推移。来週はトルコ3月CPIがメインイベント』

〇今週のトルコ円、週初4.75まで上昇するも、週末にかけ安値4.63円まで反落
〇急ピッチな上昇に対する反動売り、外貨準備高の減少等が重石に
〇テクニカルには、転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜け地合い悪化
〇ファンダメンタルズはトルコ経済復調期待、トルコ中銀利上げ観測、レーティング格上げ等がサポート
〇トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):4.55ー4.80

今週のレビュー(3/25−3/29)

今週のトルコリラ円相場(TRYJPY)は、週初4.73円で寄り付いた後、早々に週間安値4.75円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(1)3/21に記録した直近高値4.78円(トルコ中銀による先週のサプライズ利上げ直後につけた高値)を背にした戻り売り圧力や、(2)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)、(3)週次外貨準備高(グロス:748.9億ドル→ 706.8億ドル、ネット:196.2億ドル→152.1億ドル)の大幅減少、(4)重要イベント(来週4/3に予定されているトルコ3月消費者物価指数)を控えたポジション調整が重石となり、週末にかけて、週間安値4.63円まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間3/30午前6時30分現在)では、4.66円前後で推移しております。尚、今週発表されたトルコ3月経済信頼感(結果100.0、前回99.0)、トルコ2月貿易収支(結果67.7億ドル赤字、予想70.0億ドル赤字)はいずれも良好な結果となりましたが、リラ買いでの反応は限られました。

来週の見通し(4/1−4/5)

トルコリラの対円相場(TRYJPY)は3/21に記録した高値4.78円をトップに反落に転じると、週末にかけて、一時4.63円まで反落しました。日足ローソク足が一目均衡表転換線や基準線、21日移動平均線やボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化を印象付けるチャート形状となりつつあります。但し、ファンダメンタルズ的に見ると、(1)トルコ経済の復調期待(前週に加えて、今週発表されたトルコ経済指標も良好な結果)や、(2)トルコ中銀による追加利上げ観測(トルコ中銀は先週、市場の据え置き予想に反して政策金利をサプライズ的に45.0%から50.0%へ引き上げる措置を発表→機動的な金融政策スタンスを実践→今後はトルコ中銀会合に向けてショートカバーが生じやすい)、(3)実質金利のマイナス幅縮小(トルコ中銀の大幅利上げを受けて実質金利のマイナス幅が縮小)、

(4)トルコアセットへの資金流入期待(格付け大手フィッチによる格上げの影響もあり、海外投資家によるトルコアセットへの流入期待が増加)など、トルコリラ円相場の上昇を連想させる材料が増えつつあります。こうした中、来週は4/3に発表されるトルコ3月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る場合には、直後の反応として「利上げ催促のリラ売り」が連想されますが、同時にトルコ中銀による追加利上げ観測も再燃するため、一巡後にリラ買いが強まるシナリオが想定されます。一方、市場予想を下回る場合には、インフレ抑制を好感する形で、実質金利上昇→リラ買いの経路が想定されます。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ(TRYJPY):4.55ー4.80

注:ポイント要約は編集部

※来週(4/6)のトルコリラ週報は休刊とさせていただきます。次号は4/13を予定しております。

『急ピッチな上昇の反動でじり安推移。来週はトルコ3月CPIがメインイベント』

トルコ円日足

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