『年初来高値更新後に急反落。来週は南ア重要イベント目白押し』
〇今週の南ア円、週後半にかけ年初来高値8.33(約1年2カ月ぶり高値圏)まで急伸
〇南ア、中国の経済指標好調、南ア株価の堅調、金プラチナ価格の堅調等が背景
〇買い一巡後は、ドル円反落等で8.14台まで戻して越週
〇テクニカルには主要テクニカルポイントの上側で推移、強い買いシグナルも継続、地合い維持
〇ファンダメンタルズも南アランド円相場の上昇を連想させる材料揃う
〇南アランド円相場の「一巡後の持ち直し」をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.35
今週のレビュー(11/13−11/17)
今週の南アフリカランド円相場(ZARJPY)は、週初8.09円で寄り付いた後、早々に週間安値8.04円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(1)円キャリートレードの継続期待(ドル円・クロス円上昇→南アランド円連れ高)や、(2)南ア7ー9月期失業率(結果31.9%、予想32.5%)の予想比改善、(3)米10月消費者物価指数の伸び率鈍化(米FRBによる追加利上げ観測後退→米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測→米長期金利急低下→南アフリカから米国への資金流出懸念後退)、(4)中国の主要経済指標(中国10月小売売上高、中国10月鉱工業生産)の良好な結果、(5)南ア9月小売売上高(結果+0.9%、予想▲0.4%)の市場予想を上回る結果、(6)南ア株の堅調推移(約2カ月ぶり高値圏へと急上昇)、(7)金・プラチナ価格の堅調推移(南アフリカの交易条件改善期待)が支援材料となり、週後半にかけて、年初来高値8.33円(昨年9/13以来、約1年2カ月ぶり高値圏)まで急伸しました。
もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、(8)急ピッチな上昇に対する反動売り(利食い売り)や、(9)ドル円相場の急反落(ドル円・クロス円下落→南アランド円連れ安)、(10)格付け会社ムーディーズによる南アフリカの国営輸送会社トランスネット社を巡る格下げの思惑などが重石となり、本稿執筆時点(日本時間11/18午前0時50分現在)では、8.14円前後まで値を崩す展開となっております。
来週の見通し(11/20−11/24)
南アフリカランドの対円相場(ZARJPY)は、5/12に記録した年初来安値6.90円をボトムに反発に転じると、週後半にかけて、年初来高値8.33円(昨年9/13以来、約1年2ヵ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばしましたが、週末にかけては一転、8.14円前後まで値を崩す荒々しい値動きとなりました。但し、日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)南アフリカ経済の復調期待(今週発表された南ア7ー9月期失業率や、南ア9月小売売上高は良好な結果)や、(2)中国経済の復調期待(今週発表された中国10月小売売上高、中国10月鉱工業生産は良好な結果→中国と経済的な結びつきの強い南アフリカにとってポジティブ要因)、(3)米FRBによる利下げ開始時期の前倒し観測(米CPI、米PPI共に市場予想を下回る結果→米国におけるインフレピークアウト期待→米金利低下→新興国通貨上昇)、(4)南アフリカの主要産品である金・プラチナ価格の堅調推移(交易条件改善期待)など、南アランド円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、南アランド円相場の「一巡後の持ち直し」をメインシナリオとして予想いたします。尚、来週は南ア10月消費者物価指数(CPI)や、南ア中銀金融政策決定会合など、南アフリカの重要イベントが目白押しとなります。南アフリカのCPIは7月をボトムに上昇基調に転じていますが、依然として南ア中銀が定めるインフレ目標レンジ(3ー6%)の範囲内に留まっているため、来週11/22に発表される最新のCPIがレンジ上限(6%)を超えるようなサプライズとならない限り、翌11/23に開催される南ア中銀金融政策決定会合は無風通過(政策金利の据え置き継続)となりそうです(重要イベント通過後のアク抜け感から週末にかけて南アランドが持ち直すシナリオを想定)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):8.00ー8.35
南アフリカランド円日足
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