NZ/円、短期は調整下げの動き。中期は“強気”。
7/12、NZ準備銀行は政策金利(オフィシャル・キャッシュレート)を現行の5.5%に据え置きました。声明では「政策金利は当面制限的な水準を維持する必要がある」「個人消費の伸びは鈍化し、住宅建設活動は減少」「労働力不足は、最近の移民増加の影響もあり緩和され始めている」「コアインフレは生産稼働率の制約が緩和されるに連れて下がると予想」など、金融引き締め策により消費が鈍化し今後インフレも鈍化すると予想しています。これを受けてNZドルは対米ドル、対円で売りがやや優勢となる場面がありました。しかし、今週は日本の物価上昇圧力が強い状態にあるため日銀の金融政策修正観測が高まる一方、アメリカのCPIの低下傾向が続いて、インフレ鎮静化の兆候が見られることから、FRBによる利上げ長期化観測が後退してドル売り、円買いの動きが強まっています。また、欧米金融政策格差によるドル売りも加わり、ドルは全面安の展開となっています。こうした中、NZドルは対米ドルで上昇、対円では上下に振れる展開となっています。
チャートを見ると、日足は3/24に付けた80.44を基点として下値を切り上げる流れを維持していますが、7/5に付けた89.69を直近高値として上値を急角度で切り下げており、足元では調整下げの動きが強まっています。この日足の上値抵抗は88.50-60にあり、これを上抜けて終えるまでは下値リスクを残した状態です。日足の上値抵抗は88.50-60,88.88-90,89.20-30に、下値抵抗は87.10-20,86.80-90,86.20-30にあります。21日移動平均線は88.19にあり、これを上抜けきれておらず下値リスクを残した状態です。しかし120日、200日線は84.62と84.73に位置しており、中期トレンドをサポートしています。
一方直近の週足は実体が小さく上ヒゲの長い陰線引けとなり、上値トライに失敗した形で越週しています。この反動で今週は下値トライの動きが先行しましたが、下値を攻め切れずに押し戻される展開となっています。現状は調整下げの範囲内ですが、89.60-70の抵抗を実体ベースで上抜けて越週するまでは、上値余地も拡がり難い状態です。週足ベースで見た上値抵抗は前述の89.60-70と90.80-90に、下値抵抗は87.30-40,86.20-30,85.40-50にあります。31週、62週移動平均線は84.51と84.54に位置しており、中期トレンドは“NZ強気”の流れにあります。
7/13現在、31週移動平均線は84.51に、62週線も84.57にあり、中期トレンドをサポート中。
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