米5月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(13日)は米国5月消費者物価指数(CPI)が発表されます。また翌14日には卸売物価指数(PPI)が発表されます(予想は下表(2)ご参照)。この両指標の発表とほぼ同時並行的にFOMCの金融政策会合とその公表が行われ、FOMCの結果はNY時間の14日14時に公表されますので、今日のCPIが最後の判断材料の1つになりそうです。ここまで一部のFRB委員はインフレ高止まりをかなり気にしているので、今回のCPI年率数値をどの様に受け止めるのか注目されます。
前回は予想通りの結果にドルロングの手仕舞いとなりました。発表前に135円35銭付近で推移していたドル円は直ぐに134円30銭付近まで下落し、NYの終値は134円53銭でした。
今回の予想をみると、全体ではインフレが沈静化していますが、コアは緩やかとなっています。図(A)を見ると、オレンジ色の移動平均線(3〜5月は0.27%)は2017年〜19年当時の水準近くまで下がってきています。2017年〜19年時のCPIコア(年率)のレンジは1.7〜2.4%、PCEコアは1.3〜2.0%ですので、このまま月次で0.2〜0.3%辺りで横這いが続けばインフレ低下は見込めそうです。そのコアの年率推移は図(B)になります。
3月時のFRB予想ではPCEコアが2023年12月に3.6%、それに対して4月のPCEコアが4.7%でしたので、まだ1.1%の差があり、毎月0.1%程度の下落では達成できません。2022年にはCPIコアとPCEコアの差が1%以上あり、その時点では相関して下落していましたが、両者の差が0.5%位になると横這い傾向が多くなります。現在は4月時点でその差が0.8%でしたので、今後差が詰まればパターン的に高止まりの懸念も生じます。
一方で、翌日公表のPPIは大きく下がる予想になっており、両者の相関性を見れば、いずれインフレ沈静化に向かうと思われます。このタイミングのずれが長引けば、引き締め継続も肯けますが、景気配慮も勘案すると利上げの確率は減るとみています。
(1)消費者物価指数
(2023年6月13日9時00分現在予想 )
(A)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ)
上記チャート(A)を見ると、オレンジ色の移動平均線がここ3ヶ月0.27%で横這いとなっています。青の前月比数値が上下に絡んでいるので、インフレ傾向は沈静化してきています。
一方、下記チャート(B)はコアインフレを示しています。オレンジ色のPCEコアは昨年2月に5.2%の高値を付けてから、翌3月以降〜今年4月迄の平均が、4.8%ですので、1年以上に亘り横這いを続けています。このままで行くと緑のFRB予想を達成することが難しくなりそうです。
(B)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
赤はFRBのインフレ目標値2%
緑は2023年3月時にFRBの2023年末PCEコア予想3.6%
青の矢印は今回予想値
(2)5月卸売物価指数(6月14日21時間30分公表予定)
(2023年6月13日9時00分現在予想)
CPIとPPI推移
オレンジの矢印が今回5月予想になります。この相関を見る限りではCPIの沈静化も期待できますが、その下落速度がポイントになりそうです。
下図はドル円の日足チャートです。今年1月16日底値からのサポートA(=132円55銭)、そこから平行に上げた上値目安のB(=141円50銭)でドル高トレンドを形成しています。
このA・B間で、3月24日底値からのサポートC(=136円30銭)があり、更に5月11日底値から急激なドル上げ(D)を見ましたが、5月30日にこのDを割れてからドル高の調整入りになりました。
直近では5月29日高値からの抵抗線E(=140円00銭)と5月24日底値からのサポートF(=138円75銭)とで3角保合いの収斂を続けています。
今日のCPIに始まり、明日のFOMC、あるいはECBや米小売売上高など、今週はかなりの重要指標が目白押しになっているので、少なくともEとFのレンジは抜けると思います。
上抜けた場合はまずBを狙い、越えれば新たなドル上値トライになります。一方、Fを下回って終ると、C方向の流れになりますが、3月9日高値からのかつての抵抗線がG(=137円60銭)でサポートになっています。
(6月13日9:45 1ドル=139円54銭)
オーダー/ポジション状況
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