豪州中銀金融政策記者発表
(出所:豪州中銀HPから)
本日、豪州中銀の会合で、政策金利が従前の予想通り0.25%の利上げとなり、今後の利上げに関しても継続する見込みであることを示唆していますが、いつ利上げするかは明確にしませんでした。
以下は今回の要旨です。
(金融政策決定)
本日の会合で、委員会はキャッシュレート(OCR)の目標を25ベーシス上げ、3.60%への引き上げを決定した。同時に為替決済残高に関しても25ベーシス上げ、3.50%に引き上げた。
世界のインフレ率はまだ非常に高いままである。サービス価格インフレが多くの国々で上昇しているものの、総合インフレは緩やかになっている。インフレが目標値に戻るまでには暫く時間がかかるだろう。世界経済の見通しは弱まっており、今年・来年と予想される平均的成長率を下回っている。
月次のCPI指標は、インフレが豪州内でピークにきたことを示唆している。商品価格インフレは、世界経済の動向や豪州内での需要軟化により、数ヶ月先には緩やかになると予想されている。サービス価格インフレは依然として高い。夏の間幾つかのサービスへの強い需要があった為である。賃料はここ数年最も早い割合で上昇しており、国の多くの地域で空室率が低くなっている。予想中央値は今年・来年にインフレが下がり2025年央には約3%の見込みである。中期インフレ期待値は確りと留まっており、これがそのままであることが重要である。
豪州経済の成長は鈍化した。GDPは12月末期で0.5%、年間では2.7%の伸びであった。今後2・3年の成長はトレンドを下回ると予想している。家計消費は金融情勢引き締めで減速した。住宅建設の見通しは軟化した。対照的に、企業投資の見通しはポジティブであり、多くの企業は設備稼働率が非常に高い水準で運営されている。
労働市場は、状況が幾分緩和されたものの、依然として非常にタイトなままである。失業率は50年ぶりの低い水準に留まっている。雇用は1月に下落したが、これは雇用に関して季節的パターンの変化を反映している。多くの企業は労働者雇用の難しさを経験し続けている。ただ幾つかの報告では、労働不足の緩和が見られるとしている。経済成長は鈍化するにつれて、失業率は上昇することが予想されている。
賃金の伸びはタイトな労働市場や高インフレにより上昇を続けている。総合レベルでは、賃金の伸びはインフレ目標と一致しており、最近のデータでは物価と賃金が相互に追いかけるサイクルリスクは低下していることを示唆している。しかしながら、委員会は物価−賃金スパイラルリスクを警戒したままである。これは経済において限定された余剰生産能力や歴史的な低失業率だからである。従って、労働コストの進展や企業の物価設定行動の両方に注意を払い続けることになろう。
委員会は金融政策が遅れて(ラグ)で作用し、金利率の累積的引き上げの完全な効果がまだ不動産ローンの支払いには感じられないことを認識している。そのタイミングや家計消費への予想される鈍化の程度についは不確実性がある。一部の家計はかなりの貯蓄としてバッファーを持っているが、その他は金利上昇や生計コストの上昇により、自らの予算から痛みを伴い絞り出している。家計のバランスシートもまた住宅価格の下落により影響を受けている。不確実性のもう1つの要因は世界経済が世界中の大規模かつ急速な利上げに対してどの様に応えていくのかである。これらの不確実性は豪州経済にとって様々な潜在的シナリオがあることを意味している。
委員会の優先事項はインフレを目標値に戻すことである。高いインフレは人々に困難をもたらし、経済の機能を損なう。もし高インフレが人々の予想に根強くなってきたら、より高い金利率や失業率の一段と高い上昇を巻き込みながら、後でそれを下げるには非常にコストがかかるだろう。委員会は、経済を均等に保ちながら、インフレを目標値の2〜3%に戻すことが求められている。しかし、ソフトランディングを達成する道のりは狭いままである。
委員会は、インフレを目標値に戻し、高インフレの時期が一時的であったことを確信するまで、金融政策の更なる引き締めが必要になると予想している。今後、何時あるいはどの位の利上げが必要となるかを査定するにあたり、委員会は世界経済の進展具合、家計消費のトレンド、インフレや労働市場の見通しに十分注意を払うことになるだろう。委員会はインフレを目標に戻すために断固とした決意のままであり、それを達成するために必要なことを行うつもりである。
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(出所:豪州中銀HP)
豪ドル米ドルは公表前に0.6745付近で推移していましたが、利上げ継続を示唆したものの、利上げ時期を特定しなかったことから豪ドルは0.6694米ドル付近まで下落し、現在は0.6705〜06付近で推移しています。シカゴポジション375内で書いた0.6710のサポートを切れ始めており、豪ドル安の流れが継続する方向に動いています。下値サポートしては0.6680、0.6630、0.6580の順にあるとしましたが、今日以降の日足終値で最初の0.6680を割って終わったことを確認してからの下値トライがリスクは少なくなりそうです。逆に0.6710を越えて終わるようだとまだ豪ドル安値圏での揉み合いになりそうです。
(2023年3月7日15時20分、1豪ドル=0.6705米ドル)
オーダー/ポジション状況
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