米8月PCEとPCEコア予想
(2022年9月30日21時30分発表)
明日、米国の8月PCEとPCEコア及び個人消費支出が発表されます。今日から始まるドイツの消費者物価、明日のユーロ圏HICP、その後の米PCEとPCEコアと、直近の欧米インフレ状況を探る流れになります。前月(7月)の結果は、PCE・PCEコア共に予想よりもややインフレが落ち着いた数値になりましたが、どちらかと言えば高止まりに近い結果でした。また個人消費が予想を大きく下回りました。その時点の相場は、発表前に137円付近で推移していましたが、落ち着いたインフレに136円23銭までドルが売られました。その後に行われたジャクソン・ホールでパウエルFRB議長が利上げを継続する発言に137円65銭まで反発し、137円64銭で引けています。今回の予想は欧州圏が強いインフレ懸念、米国がやや落ち着いたものになっているので、今日・明日でどの様に動くか注目されます。
今回8月の予想はPCE全体では低下、コアは小幅上昇になっています。下図はCPIとPCEのコアを比較していますが、既発のCPIコアは6月・7月の+5.9%を底値に、8月は+6.3%と少し反発しているので、明日のPCEコアも上昇する可能性は高くなっています。まだインフレ沈静化に程遠い流れになるかもしれません。
9月のFOMCで、PCEコアの予想は4.5%(6月時4.3%)と上方修正していますが、その見通しよりもまだ上回っています。
今回の一連の欧米数値で予想通りになった場合、インフレ状況はどちらが悪いと取るのか、まだ米国自体も絶対的に高い水準にあると見做すのか等を確認したいと思います。
尚、ご参考までにアトランタ連銀GDPナウは9月27日現在で前期比年率+0.3%(9月20日と変わらず)の水準に留まり、上半期マイナスからは僅かに水面上となっています。
今回予想
2022年9月29日12時現在予想:直近の予想数値を再確認お願いします。
米国CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)前年比ベース推移
(オレンジ矢印が今回の8月予想値、赤はFRBのインフレ目標値2%、緑が9月FOMC会合時の2022年末予想値4.5%です。)
9月のFOMCでは、2022年末にPCE全体では5.4%(6月時5.2%)、PCEコアは4.5%(6月時4.3%)と上方修正しています。
下図はドル円の週足チャートです。3月7日週底値からのサポートA(=136円80銭)にあり、そこから平行線に上げたB(=147円60銭)でドル高トレンドになっています。また8月15日週の底値からの急激なドルサポートがC(=141円80銭)にあります。現在はBとCでドル高ウェッジとなっています。もしCを切れた場合は7月14日高値だった139円39銭が下押しの目途になりそうです。上値は介入のあった145円90銭が目先の抵抗線になっています。
さてご参考まで、下図の〇印は3月7日週の底値から9連続陽線になり、その値幅は16円42銭になっています。今週は、明日に143円54銭以上で終われば陽線となり、7週連続になります。その値幅は13円34銭で、前回と比較して3円強足りません。もし残り2週も陽線になれば、Dは1円60銭上昇し、149円20銭になります。そうすると値幅は16円60銭になり、3月時とほぼ同じ値幅を達成することになります。そう上手く行くとは思いませんが、少なくとも明日の陽線引けは、ある意味で重要となりそうです。
(9月29日15:00 1ドル=144円69銭)
オーダー/ポジション状況
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