ポンドの関心高い、ドル/円はレンジ継続か(9/29夕)

29日の東京市場はドルが小高い。大局的にはレンジ内だが、終盤にかけては144円台後半円を示現するなど、ドルの強さが目に付いた。

ポンドの関心高い、ドル/円はレンジ継続か(9/29夕)

ポンドの関心高い、ドル/円はレンジ継続か

〇本日のドル円、144.75レベルまで上伸、16時現在はそのままドル高値圏で推移
〇ポンドが市場の波乱要因、本日東京時間のポンド/ドルは緩やかながらほぼ一貫した右肩下がり
〇本日は4-6月期GDP統計確報値や週間新規失業保険申請件数などの米経済指標が発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.00-145.20
〇ドル高・円安方向は2日続けて上げ止まった144.90前後が最初の抵抗
〇本日東京安値や昨日安値を含めた144円前後を割り込めばストップロスを巻き込み下げ加速の可能性も

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場はドルが小高い。大局的にはレンジ内だが、終盤にかけては144円台後半を示現するなど、ドルの強さが目に付いた。

ドル/円は寄り付いた144.10円レベルを日中安値に、ドルがじり高推移。米10年債の金利低下が一服したことでドルが再び志向されていた面もありそうだ。途中144円半ばで一時上げ渋るも、上抜けると終盤には144.75円レベルまで上伸。16時現在では、そのままドル高値圏で推移し欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「英国情勢」について。
前者は、天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」と「ノルドストリーム2」にほぼ同時期に損傷が発生した件について、ロシアサイドからも「国際テロ」を疑うようなコメントが台頭。しかし米国は引き続き慎重姿勢をとっており、昨日も米軍当局者から「破壊工作と結論付けるのは時期尚早」とした見解が示されていたようだ。なお、そんなノルドストリームの損傷をめぐり国連安保理が30日に会合する予定とされている。一方、それとは別に、暫定集計結果で「9割を超える向きが賛意を示した」とされるウクライナ4地域のロシア編入住民投票について、ロシア外務省は「地域の住民の願いをかなえるために重要な段階に入る」などと発表し、欧米諸国からまたもや反発をかっていた。

対して後者は、引き続きポンドが市場の波乱要因となっている。昨日のポンド/ドル相場もなかなかの荒い値動きだった。キッカケとなったのは、英中銀が「長期国債無制限に買い入れる」とし、国債市場での市場介入に踏み切ったこと。ただ、英政府は先に発表した大型減税案を撤回する計画はない、との見方が有力視されるなど、小手先の時間稼ぎに過ぎないとの指摘も根強い。実際、そのためか本日東京時間のポンド/ドルは、緩やかながらほぼ一貫した右肩下がりだった。なお、そうしたなか英財務省は、クワーテング財務相は辞任しないと擁護する姿勢をみせていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

前述したように、昨日などは市場動意の中心はポンドであり、ドル/円の関心はやや低い状況。実際、値幅を見ても一昨日そして昨日とドル/円は144円台を中心に1円未満の変動にとどまっている。つまり、足もとは少しずつ落ち着きを取り戻しつつあり、短期的には144.00-145.00円、あるいは143.50-145.00円といったレンジ取引をたどる可能性もある。なお、ブレークがあるとすれば上方向だろうが、その場合には日本の政府・財務省介入に当然要注意だ。
日米を中心とした金融政策への関心が依然として高く、そうした意味では発表される米経済指標、とくに本日は4-6月期のGDP統計確報値に注目だ。また、昨日は500ドル以上と大きく上昇して引けたNYダウだが、昨日も報じたように経験則的には「弱気相場」入りしたことがすでに確認されており、引き続き予断を許さない。さらには、市場筋の注目度が高い英国情勢やロシアなどを含めた広義の欧州に関するニュースなどに注意する必要があるだろう。

テクニカルに見た場合、ここ数日のドル/円は小康。日本当局の市場介入前後140.35-145.90円というレンジが大きく縮小、144円台を中心とした新レンジを形成しつつあるようだ。このまま落ち着くのか、それとも嵐の前の静けさで、まだ一波乱二波乱あるのか情勢をしっかりと見極めたい。市場の関心がドル/円よりもユーロやポンドに移行している感がうかがえることからすれば、レンジ継続と考えたいが油断は禁物かもしれない。

本日は米経済指標として、4-6月期のGDP統計確報値や週間ベースの新規失業保険申請件数が発表される予定だ。とくに前者の内容を注視している向きは少なくない。また引き続き米地区連銀総裁を中心とした講演も多いなか、ラムスデン中銀副総裁の講演など気になる英国ファクターも予定されている。しっかりと注視しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは144.00-145.20円。ドル高・円安方向は2日続けて上げ止まった144.90円前後が最初の抵抗。超えると当然145円台乗せから、当局の動意が意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値や昨日安値を含めた144円前後の攻防にまずは注目。割り込めばストップロスを巻き込み、下げが加速する可能性も。

ポンドの関心高い、ドル/円はレンジ継続か

ドル円日足

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