シカゴポジション(CME)353
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)(2022年09月20日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週のシカゴポジションはNZドルと円は米ドル買い、豪ドルとユーロは米ドル売りになりました。内容はまちまちとなっています。
まず豪ドルですが、大幅に利確した動きとなりました。総枚数は増えているので、まだ豪ドル先安観を維持しています。一方、NZドルは損切り(?)と思われるNZドルロングの枚数を大幅に減らして米ドルロングを積み上げています。目安となるネット8,000枚を大きく越えてきているので先安観を強めています。オセアニア通貨は米ドル先高観で揃ってきているので、明日の締日で豪ドルのロング枚数を再度減らしてくれば、先行きの一段安の相場観になると思います。逆に、更に手仕舞いしてくる可能性もあり、この場合にはNZドルも大きな下値を見ていないことになります。
円はドルの押し目で円ロングを手仕舞い(損切り?)してきました。2週連続で計21,200枚の減少です。このままでは過去のパターンで、ドル高になった時に円買い枚数を増やすか(総枚数増)、ドルロング枚数を減らすか(総枚数減)になります。先週締日以降に日銀の円買い介入があり140円36銭の底値をみたので、もし明日の締日で円ロングかドルロング枚数が減っていれば(総枚数減)、先々ドル高局面では手仕舞いしてくる可能性が高まります。この3週間は6日締日終値が142円80銭、13日が同144円58銭、20日が同143円75銭、そして22日の介入日底値が140円36銭でした。ユーロはポジションを引っくり返してきました。シカゴはこれだけのユーロ安になっているにも関わらず、ポジションメークの遅れから、逆張りにしてきました。締日13日終値0.9970、同20日0.9971、先週金曜日終値は0.9687、今日は0.9555付近までの底値を見ており、もしこの押し目でもユーロ買いし、目安となる5万枚以上のユーロロングになれば、シカゴはユーロ底打ちの相場観になります。果たしてどうなるのか明日のポジションは重要になりそうです。多分、損切りの可能性が高いと思いますが…。
先週のシカゴは、ロング6,300枚減、ショート1,000増となり、ネットショート7,300枚増となり、目安となる8,000枚を大きく越えてきました。次はネットで15,000〜17,000枚ですが、
総枚数減ですので、一段安を狙うには厳しくなります。過去、最低の総枚数は29,000枚、片サイドの最低枚数は9,000枚ですので、現在の総枚数35,800枚、NZロング11,600枚では限界に近づいています。仮に今回ロングを9000枚まで手仕舞いてショート増にしても、来週にはNZドル買いが出てくると思われます。下図のチャートを見ると、黒の大きなNZドル安トレンドライン0.6020〜0.6740の下限を大きく下抜けています。明日の締日もこの下限までは戻れないと思います。
さて実際の相場は、先週「…豪ドル同様に新たな底値を模索する流れになっています。目安となるサポートは底値を結んだラインが0.5920(金曜日に0.5890)にあります。もう少し長めに結んだものが0.5890(金曜日に0.5870)になります。全てをクリアして下抜けると、豪ドル同様に2020年3月の底値0.5470が視野に入ります。」としましたが、0.5870も下抜けて現在は0.5715付近まで売られています。2020年3月底値0.5470まで、残り240ピップス程度しかありません。2番底トライの流れは今週も継続しています。現在のスポットに近いこの0.5710は2020年3月の実体部分底値ですので、サポートされています。週足で0.5700未満の終値を確認すれば0.5470までのトライにはリスクが減ります。勿論このまま一気に下げる可能性もあります。前回の下ヒゲ下限は0.5592と0.5470の2つです。なお、日足の実体部分底値は0.5671ですので、0.5700を切った時の最初にサポートになりそうです。上値は0.5830〜40、0.5890、0.5960に抵抗線があり、一段のNZドル戻り高を狙うには0.60の大台代わりが必要です。(1NZドル=0.5716米ドル、9月26日15:00)
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)、折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
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