トルコリラ円見通し 9月9日への急落一服だが13円挟んだ下げ渋りにとどまる

トルコリラ円見通し 9月9日への急落一服だが13円挟んだ下げ渋りにとどまる

トルコリラ円見通し 9月9日への急落一服だが13円挟んだ下げ渋りにとどまる

トルコリラ円見通し 9月9日への急落一服だが13円挟んだ下げ渋りにとどまる

〇昨日のトルコ円13.07まで上げたものの前日高値を前に失速、13円台乗せは上値重い
〇ドルトルコ、15日早朝の終値は8.427で前日終値8.419からはわずかにトルコ安
〇23日のトルコ中銀金融政策決定会合、利下げ可能性ゼロではなくなり相場も持ち合いで様子見
〇13.04以下での推移中は下向きとし、12.94割れからは12.89試しへ向かうと想定する
〇13.07超えからは13.10台序盤への上昇を想定、13円以上維持なら16日も高値試しへ向かいやすいか

【概況】

トルコリラ円の9月14日は13.07円から12.93円の取引レンジ、15日早朝終値は12.96円で前日終値の13.03円からは0.07円の円高リラ安となった。9月14日夕刻にはこの日の高値となる13.07円を付けたものの10日夕高値13.08円には届かずに失速している。
9月3日のトルコ8月物価上昇率発表前は8月9日以降の上昇基調を維持して13.32円まで高値を伸ばし、6月2日安値12.44円以降の最高値としていたが、9月3日のトルコ物価上昇率発表から乱高下となり、9月3日夜の米雇用統計通過後のドル全面高から対ドルでリラ安が進行したために9月8日には前日比0.20円の円高リラ安で急落、9月9日には12.89円まで続落した。その後は下げ一服で13円を挟んだ揉み合いにとどまりって新たな安値更新を回避するも、13円台の乗せたところは戻り売りにつかまって上値が重く、下げ一服から脱却しきれ得ずに安値更新から一段安入りを伺う位置取りという印象だ。

【米雇用統計後のドル高一服で対ドルでの下落一服】

ドル/トルコリラの9月14日は8.46リラから8.38リラの取引レンジ、15日早朝の終値は8.427リラで前日終値8.419リラからはわずかに下落した。
9月14日は米8月消費者物価上昇率に市場の注目が集まり、予想を下回って物価上昇の上ブレがやや鈍化してきたことで発表直後にはドル安反応となり、ユーロやポンドが反発したもののユーロドルの上昇は長続きせずに早々に失速して9月13日夜からの上昇幅の半値を削り、ポンドドルも1.390ドル台到達まで一段高したところから1.380ドルまで急落し、豪ドル米ドルでは一時的な反発がみられたものの早々に売られて9月3日夜高値以降の最安値を更新するなど、ドル安継続とはならなかった。
トルコリラへの影響は限定的だったが、ドル安によるリラ高へのきっかけにはならなかった。9月9日安値8.51リラから9月10日高値8.36リラまで戻した後はこの高安レンジ内で徐々にレンジを縮小する持ち合いの様相だ。

【来週のトルコ中銀金融政策決定会合まで様子見続くか】

トルコ中銀のカブジェオール総裁が9月8日の講演で「インフレ率は第4四半期に鈍化基調に入る」「食品を除いたインフレ率は総合インフレ率を下回る」と述べたことでトルコ中銀による利下げの可能性が高まったとして9月8日にトルコリラ円は急落した。
9月3日に発表されたトルコの8月消費者物価上昇率の全体は前年同月比で19.25%となり7月の18.95%から上昇して政策金利の週間レポレート19.00%を上回った。しかし消費者物価コア指数の前年同月比は16.8%となり7月の17.2%から若干低下して政策金利も下回っている。トルコ中銀は「インフレ率を下回る政策金利にはしない」と再三繰り返して市場の利下げ懸念を後退させ、当面は利下げは無いとして9月序盤までは対ドル及び対円でのリラ高基調が続いてきた。しかしコア指数の上昇率を利下げの判断にすれば17%台への利下げ余地があることになり、エルドアン大統領による利下げ要求に応えることも可能になる。

9月23日のトルコ中銀金融政策決定会合において、現時点での市場予想は政策金利の据え置きだが、利下げされる可能性もゼロではなくなった。利下げしない場合でも9月の消費者物価コア指数が連続して低下するなら10月会合で利下げされる可能性が高まると思われる。そのあたりを思惑しながら、現時点では相場も持ち合いで様子見となっているが、徐々に利下げの可能性を先取りをして週末から週明けにかけてリラ売りが進むことも警戒されるところだ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、9月7日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして8日深夜から13日朝にかけての間への下落を想定していたが、9日夕刻へ一段安したところから戻しに入ったために10日午前時点では9日夕安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして10日夕から14日夕にかけての間への上昇を想定した。
9月14日の上昇では13日夕高値に届かずに失速しているため13日夕高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は14日午後から16日夕にかけての間と想定されるので既に反騰注意期にあるが、14日夕高値を超えないうちは15日夜から16日にかけての間への一段安余地ありとする。ただし14日夕高値超えからは強気サイクル入りとして16日夕から20日夕にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では9月14日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とするが、先行スパンを上抜き返すところからは遅行スパン好転中の高値試し優先へ切り替える。
60分足の相対力指数は14日夜の下落で30ポイントまで低下してからやや戻したものの50ポイント超えへ進めずにいるのでまだ20ポイント台への一段安余地ありとし、強気転換は50ポイントを超えて維持する反騰発生からとする。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、9月9日夕安値12.89円を下値支持線、14日夕高値13.07円を上値抵抗線とする。
(2)13.04円以下での推移中は下向きとし、12.94円割れからは12.89円試しへ向かうとみる。12.89円以下は反発注意とするが、下げ足が速まる場合は12.85円前後へ下値目途を引き下げる。また13円以下での推移なら16日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)13.04円超えからは13.07円試しとする。13.07円超えからは13.10円台序盤(13.10円から13.13円)への上昇を想定し、13円以上を維持しての推移なら16日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

9月15日
 17:00 8月 財政収支 (7月 -458億リラ)
9月16日 週次外貨準備高・グロス 9/10時点 (9/3時点 780.5億ドル)
9月20日
 23:30 8月 中央政府債務 (7月 203.2億リラ)
9月22日
 16:00 9月 消費者信頼感指数 (8月 78.2)
9月23日
 20:00 トルコ中銀 政策金利・週間レポレート (現行 19.00%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利・翌日物貸出金利 (現行 20.50%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利・翌日物借入金利 (現行 17.50%)
 20:00 トルコ中銀 政策金利・後期流動性貸出金利 (現行 23.50%)
 20:30 週次外貨準備高・グロス 9/17時点


※ポイント要約は編集部

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