短期上昇トレンドを継続中
〇先週のユーロドル、7月初めからの下降トレンド上抜け、7/30に1.1909レベルと月間高値更新
〇ユーロ円、週前半は株安の影響による下げ、週後半はテクニカルなユーロ買い、ドル円と似た動き
〇8/5に英中銀MPC開催、注目度高い、現状維持・緩和の長期化の決定が予想される
〇短期的に上昇トレンドを形成中、上値の目途としては6月下旬の戻り高値1.1975レベルか
〇今週は1.1825レベルをサポートに、1.1950レベルをレジスタンスとする流れ
今週の週間見通しと予想レンジ
先週のユーロは、週初からユーロ買いが続きましたが、全般的にドル安地合いが目立つ中で、ユーロドルに関しては7月初めから続いていた緩やかな下降トレンドを27日に上抜けたというテクニカルな要因も大きかったと思います。ユーロ円の動きを見ると週前半は株安の影響による下げ、週後半はテクニカルなユーロ買いといった動きですが、週初の水準と大きくは変化していないことから、大きくはドル円と似たような動きであったと言えるでしょう。
今週は月初ということで製造業とサービス業のPMI改定値がありますが、週末に米国雇用統計もあることから、トレンドを決めるような動きにはなりそうもありません。また5日には英中銀MPCがあり、そちらのほうが重要です。今回はMPCとともに議事要旨の公表と中銀総裁会見も行われる注目度が高い会合です。最近のMPC委員の発言としてブリハ委員の発言が27日にありましたが、緩和策を近く縮小しようとする動きにはほとんど賛同しないと、引き続き英中銀が現在の緩和策を継続するであろうことを示しました。
FRBもECBも早期のテーパリング思惑を牽制する発言を繰り返していますし、直近のデルタ株の感染拡大も考えると、英中銀も現状維持、緩和の長期化という決定をするはずですが、議事録や総裁会見でどのような内容となるのかを確認し、一時的に上下に振れる展開も考えられます。ポンドに追随したユーロの動きにも注意ではありますが、翌日に米国雇用統計もあり、トレンドが変わることも加速することも無いと見ています。
テクニカルには重要な動きとなりましたので、いつもの日足チャートをご覧ください。
チャートを見てもわかる通り、7月初めからの平行下降チャンネルを上抜けました。上抜けたレジスタンスラインはサポートラインへと転じることが多いため、今週の下値の目途はチャンネル上側のラインが位置する1.18台前半となります。また上値の目途としては6月下旬の戻り高値1.1975レベルとなります。まだ距離がありますが、短期的には上昇トレンドを形成中ですから、動き次第では可能性はあります。
今週は上記チャンネルのラインを参考に1.1825レベルをサポートに、6月下旬高値の手前の1.1950レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
今週のコラム
今週はMPCもあるのでポンドドルの日足チャートを見てみます。
ユーロドルよりもやや手前6月下旬からのレジスタンスラインを先週上抜けました。上昇ペースもユーロドルよりも大きく、既に6月下旬の戻り高値に戻しています。同水準は6月高値と7月安値の61.8%戻しとも重なるため、いったん踊り場となりやすい水準ですが、その上の78.6%(61.8%の平方根)戻しの水準は5月から6月にかけての高値圏のネックラインとも重なり、同水準を最終的なターゲットとしやすいと見られます。
MPCで大きく動きことは無さそうだとは書いていますが、イベントが過ぎることで買いやすくなるともいえ、テクニカルに気になる水準に上げてきたということだけは確かです。
今週の予定
今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。
8月2日(月)
15:00 ドイツ6月小売売上高
16:50 フランス7月製造業PMI
16:55 ドイツ7月製造業PMI ☆
17:00 ユーロ圏7月製造業PMI ☆
17:30 英国7月製造業PMI
8月3日(火)
18:00 ユーロ圏6月PPI
8月4日(水)
16:50 フランス7月サービス業PMI
16:55 ドイツ7月サービス業PMI ☆
17:00 ユーロ圏7月サービス業PMI ☆
17:30 英国7月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏6月小売売上高
8月5日(木)
15:00 ドイツ6月製造業新規受注
15:45 フランス6月鉱工業生産
17:30 英国7月製造業PMI
20:00 英中銀MPC結果発表、議事要旨公表 ☆
8月6日(金)
15:00 ドイツ6月鉱工業生産
15:45 フランス6月貿易収支
21:30 米国7月雇用統計 ☆
前週のユーロレンジ
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。
先週の概況
7月26日(月)
ユーロドルは東京市場ではドル円のドル安・円高の動きとともにユーロ買いが先行しました。また海外市場に移ってからはポンド買いの動きがユーロの買いにも影響し、ユーロ円の買い戻しも加わって1.1817レベルまで上昇後にやや押して引けました。
7月27日(火)
ユーロドルは東京市場ではユーロ円の下げの影響が大きく欧州市場序盤には1.1770レベルの安値をつけました。しかしドル円の下げが大きくユーロドルでもドル安の動きに追随しNY後場には1.1841レベルの高値をつけました。引けにかけてはドル円同様にドルが若干買い戻され、ユーロが売られる動きとなっていました。
7月28日(水)
ユーロドルは東京市場では横ばい、欧州市場ではドル円のドル買いの動きに沿ってユーロ売りが目立ちました。FOMC後は全般的なドルの動きに沿って、ユーロ売りが先行後にユーロ買い戻しの動きとなり、1.1850レベルの高値をつけ、まま高値圏での引けとなりました。
7月29日(木)
ユーロドルは終日上昇を続けました。全般にドルが弱かったことによるものですが、NY市場まではユーロ円の買いもユーロドル下支えの材料となりました。テクニカルにも7月高値からのレジスタンスラインを上抜けたことで、7月高値に接近する水準へと切り上げる流れになりました。
7月30日(金)
ユーロドルは東京市場では動かず、欧州市場序盤に月末のロンドンフィキシング思惑で欧州通貨買いの動きとなりました。その後強いユーロ圏の経済指標も手伝って1.1909レベルと月間高値を更新しましたが、ロンドンフィキシングを前にポジション調整から下げに転じ、月末実需が欧州通貨売りであったことから1.1852レベルまで水準を下げ、若干買いも出ての月末クローズとなりました。
ディスクレーマー
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