豪ドル/円、短期トレンドが変化。82円割れの越週で一段の下落リスクが点灯。
6/15に公表された豪中銀理事会の要旨は新味の無い内容となり、為替相場には影響がありませんでした。しかし、15-16日に開催されたFOMCで、早期利上げ観測が高まったことや、パウエルFRB議長のタカ派的な発言を受けてドル金利が上昇、ドルの買い戻しを誘う動きが強まりました。17日に発表された、豪5月の雇用統計が市場予想を上回る改善を示したことから、豪ドルは対ドル、対円で小反発に転ずる場面がありましたが、FOMCの結果を受けたドル全面高の影響がより強く、豪ドルは対ドル、対円で大幅続落となっています。なお、豪失業率は5.1%(市場予想5.5%)と、昨年2月以来の低水準に、雇用者数も前月比+115.2千人と市場予想の+3万人を大幅に上回る増加となりました。内訳を見てもフルタイムの雇用が+97.5千人に対してパートタイムが+17.7千人と雇用市場が引き続き堅調であることを示しています。
チャートを見ると、日足は直近の大陰線(17日)が高値圏での揉み合いから大きく下抜けて、短期トレンドに変化を生じさせています。また、対ドルで0.7650-60の抵抗を割り込んだことも対円での下落スピードを速めたと見られます。短期トレンドは“豪ドル弱気”に変化しており、85円台を回復して終えるまでは、下値リスクが軽減されません。但し、直近の大陰線で大きな下げエネルギーを吐き出したと見られ、短期的には大幅続落にも繋がり難いと見られます。日足の上値抵抗は83.50-60,84.00-10,84.40-50に、下値抵抗は83.00-10,82.30-40,82.00-10にあります。21日移動平均線は84.57にありこれを大きく下抜けて短期トレンドが弱い状態にあることを示していますが、120日線は83.07に位置しており、短期的な下値抵抗となる可能性があります。また、200日線は80.35に位置しており、中期トレンドは “豪ドル強気”の流れを変えていません。
一方直近の週足は小陰線で終え、今週は週初から上値の重いスタートとなりました。また、FOMC後の急落で、昨年3月に付けた59.91を基点として下値を切り上げて来た流れからも大きく下抜けており、週足が85.30超えで越週しない限り、一段の下落リスクにより警戒が必要です。週足の上値抵抗は84.10-20,84.50-60に、下値抵抗は83.00-10,82.00-10にあります。31週、62週移動平均線は81.97と77.99に位置しており、中期トレンドは“豪ドル強気”の流れを維持していますが、80円割れで越週した場合は中期トレンドも変化します。
6/17現在、31週、62週移動平均線は81.97と77.99に位置しており中期トレンドは“豪ドル強気”の流れに変わりない。
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