欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想(4/9)

2019年4月10日水曜日:東京時間20時45分公表、ドラギ総裁記者会見は21時30分〜(注:今月から夏時間適用で1時間早まりました。)

欧州中央銀行(ECB)政策金利の予想(4/9)

欧州中央銀行(ECB)政策金利予想

欧州中央銀行政策金利予想(4月9日11時00分現在)
現行0.0%→0.0%で据え置き予想 エコノミストのレンジなし(全員0.0%)

その他の、中銀への預金金利(現行▼0.4%)及び限界貸付金利(現行0.25%)も
前回同様にエコノミスト全員据え置き予想になっています。

明日、ECBは政策金利を公表しますが、今回も全員据え置き予想となっています。
今回会合の注目点として、
前回、年内は利上げしない旨を委員会で議論したことになっていますが、一方、ドラギ総裁は銀行収益悪化を防ぐために、マイナス金利(上記の中銀預金金利)の幅を幾分見直し(利上げ)する必要があるかもしれないと述べており、形式的とはいえマイナス幅縮小の思惑があります。

またECBの先行き欧州経済見通しはかなり悪く、先ごろ発表されたユーロ圏製造業PMI指数が2月49.3⇒3月47.5と下がったことを指摘するエコノミストもいる様です。特にユーロ圏でかなりの部分を占めるドイツ製造業PMI指数が2月47.6⇒3月44.1まで下げたことが気にかかる様です。これらの内容含めて、ステートメントでどの様に表現されるのかがポイントになりそうです。

尚、明日ECB終了後の約6時間後(11日夜中3時)に米FOMC議事要旨が公表予定になっています。米欧の金融内容対比も勘案する必要があります。

前回2019年4月4日公表のECB金融政策議事要旨(3月7日開催分)の抜粋を添付します。

「(一部略)
ユーロ圏に目を向ければ、最近入ってくる情報では先行き鈍化が懸念される。指標は製造業の減速を示唆している。GDPの構成要素から見た消費は四半期ベースで4Qは0.2%伸びた。3Qは0.1%だった。消費の伸びが鈍化した原因は非耐久財消費の減速である。固定資本投資は4Qで0.6%伸びた。先行きの投資をみれば内外需ともに減速傾向である。ユーロ圏の失業率は下がっているが、貿易は四半期ベース比較で鈍化している。米中への輸出の伸びが弱くなっている。ECBスタッフのGDP見通しは2019年1.1%、2020年1.6%、2021年1.5%である。実質GDPは2019年で0.6%の下方修正、2020年で0.1%の下方修正である。物価に目を移すと、ユーロ統計局の見通しで、1月1.4%から2月1.5%にインフレは上昇した。一方で、食品・エネルギーを除くインフレは1.0%で、前月の1.1%より下がった。賃金は上昇傾向になっており、これが物価上昇要因にはなっているが、ECBスタッフ見通しでは、インフレは2019年に0.3%ダウン、2020年と2021年で0.2%ダウンの予想である。

金融市場は緩和基調である。これは将来の金融政策や貿易問題の高まりを反映したものだ。株式市場は企業業績低下見通しにも関わらず、上昇している。一方で社債のスプレッドはタイトになってきた。それでも信用状態は緩和的である。最近入ってくるデータは弱い状態が続き、とりわけ製造業が弱い。2019年3月末期の成長見通し及び、少なくとも2020年まで下方修正した。ユーロ圏の成長は金融緩和策、雇用改善、賃金上げによって支えられている。同時に不確実性台頭見通しへの重きが強まった。インフレに関しては混在。国内のコスト上昇…賃金上げによる…は強まっている。しかし、それでも強いインフレには繋がっていない。ECBスタッフのインフレ見通しは通常及びコア共にインフレ見通しを下げた。これは経済モメンタムが下がったためである。より長期のインフレ見通しも弱くなった。以上より金融政策はこれまでの緩和基調を維持していく。」
(引用は以上)

ユーロドル相場は比較的大きな流れでは1.1130〜1.1410レンジでユーロ安トレンドを形成しています。このレンジ内の1.1175〜85でダブルボトムを試しており、もし3回目でここが切れれば下限の1.1130方向になりそうです。もし、ここがホールドされると戻り高トライの可能性が強まります。最初の関門が1.1320〜30、次いで1.1360〜70、1.1410〜20米ドルの順にある抵抗線を1つずつ試すことになります。
既にユーロの悪材料はかなり出ていますが、ECBの議事内容で少しでも緩和を先延ばしする様な文言でもあれば、ユーロの買戻しが出てくる可能性があります。
(2019年4月9日13:00、1ユーロ=1.1268ドル、=125円50銭)

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