<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は、揉み合い。とくに午後にかけては、111円台前半を中心としたレンジ取引で、方向性はほぼうかがえなかった。
ドル円は111.45円前後で寄り付いたのち、じり高推移をたどると111.55-60円の日中高値を記録。しかし、その後は一転してドル売り・円買いが優勢になると、111.25-30円まで値を下げている。日経平均を中心としたアジアの株価に一喜一憂する展開だった。日中安値を示現後は動意に欠け、111.30円台で膠着の様相。16時時点では111.35円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、仮想通貨は若干落ち着いてきた感も見られるが、それでも為替と比べると荒っぽい変動。ビットコインは早朝の5200ドル半ばを高値に、一時100ドルを超える下落を記録していた。
一方、材料的に注視されていたものは、「英国情勢」について。
「英政権当局者は9日に離脱めぐる労働党との協議を再開」、「英政府、5月の欧州議会選参加に必要な法的な手続き実施」などといった報道を観測するなど、政府サイドによる活発な動きがうかがえた。ただ、その一方で英紙テレグラフは「英首相、離脱めぐる2回目の国民投票検討」と指摘、思惑を呼んでいたようだ。
そのほか、単発モノとして、最初に報じたのは産経新聞とみられる「紙幣を20年ぶりに刷新へ、一万円札に渋沢栄一ら(その後、麻生財務相が会見で報道を認める)」、聯合ニュース「日中韓のFTA交渉会合、9-12日に東京で開催」、米ホワイトハウス顧問「米中通商協議の全問題ではまだ満足せず」、ブルームバーグ「EU中核国、首脳会議直前の調整会合開催検討」、麻生財務相「金融市場の動向を注意深くモニタリングする」−−などの発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
引き続き微妙なレベルながら、111円半ばに位置する移動平均の200日線を下回っている。少なくともドル高方向への勢いは完全に殺がれた感を否めず、112円あるいは年初来高値の112.13円を視界内に捉えた動きは仕切り直しに。とは言え、ドルの下値もかなり堅い。実際、昨日から本日にかけては111.25-30円を2度トライするも、いずれも割り込めなかった。予断は許さないが、つまるところ111円台を中心としたレンジ取引が、いましばらく続く可能性を否定できない。
材料的に見た場合、2週続けて実施されたものの、結局妥結できなかった「米中通商交渉」が依然として波乱要因としてくすぶる。相場をさらに押し下げる要因かは別にして、ドルの上値抑制要因として寄与しても不思議はないだろう。そうしたなか、短期的には米国ファクターより注意を払いたいのは欧州ファクター。10日「EU臨時首脳会議」や、12日「英国離脱延長期限」などの重要イベントを控え、欧州情勢は今週がある種のヤマ場を迎えることも一部で取り沙汰されていた。
テクニカルに見た場合、今月2日以降、過去1週間ほどは111.20-82円といった60ポイント強の極めて狭いレンジを形成していることがみてとれる。つまり、明確な方向性は乏しいと言わざるを得ず、まずは足もとのレンジをいつ、どちらの方向に抜けていくのか。次の動意に注意を払いたい。
ちなみに、上抜けた場合には112円台回復し、年初来高値112.13円がターゲットに。逆に下方向に動いた際には、3月25日安値109.70円を起点とした上げ幅の半値戻しにあたる110.75円レベルなどを試す動きとなりそうだ。
一方、材料的に見た場合、2月の雇用動態調査など幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれも市場の関心は低く、基本的にはノーインパクトか。ただ、それでも米財務省による3年債の入札や、クラリダFRB副議長による講演などが実施される見込みで、一応の注意を払いたい。
また、短期的には米国よりも欧州ファクターが気掛かり。先でも取り上げたブルームバーグ報道「EU中核国、首脳会議直前の調整会合開催検討」や「再開される英与野党の離脱協議」、現地紙による「イタリア政府、新たな経済予測の発表延期の可能性」といった報道の続報などには要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル円予想レンジは、111.00-111.80円。ドル高・円安方向は、依然として下回り推移している200日線(111円半ば)が最初の抵抗。超えた場合には先週高値の111.82円や112円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、移動平均の25日線も近い過去1週間のレンジ下限である111.20円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと、4月の月間安値である110.80円レベルが意識されそうだ。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2019.04.10
ドル円、リスク回避の円買い再燃。株安を受けて一時111円割れ(4/10朝)
9日の海外時間でドル円は軟調に推移。背景には、@国際通貨基金(IMF)による世界経済成長率見通しが3.5%から3.3%へ下方修正されたこと、
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.04.09
ドル円見通し112円に届かず仕切り直しECB理事会やFOMC議事録待ち(4/9)
ECB理事会とドラギ総裁会見、米FOMC議事録公開を控えてのポジション調整買いと思われるが、ドル安要因となってドル円には下落圧力となった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。