トルコ政情不安でリラ過去最安値(2016年11月4日)

クーデター未遂後の非常事態宣言が延長されたトルコで、クルド系を支持基盤とする、

トルコ政情不安でリラ過去最安値(2016年11月4日)

トルコ政情不安でリラ過去最安値

クーデター未遂後の非常事態宣言が延長されたトルコで、クルド系を支持基盤とする、国民民主主義党(HDP)の共同党首2名と少なくとも9名の議員が拘束され、その後共同党首の一名が拘束されたトルコ南東部ディヤルバクルで大規模な爆発が発生したとBBC等のメディアが伝えています。
また、トルコでは広範囲にfacebook、ツイッターなどのSNSが意図的に遮断されて使用不能になっているとのことです。
HDPはトルコ議会で3番目の勢力を持つ政党ですが、トルコ政府は今年になってHDP議員の免責特権を撤廃していました。
一部のHDP議員はこれらの政府の捜索や拘束は完全に違法でありトルコ政府はナチスのような独裁を始めつつあると反発を強めています。

これらのニュースを受けてトルコリラは対ドルで3.1444、対円でも32.72のいずれも最安値をつけています。
尚、事件後リラの下落についてジャニクリ副首相は、ドルが上昇しているのはFRBの利上げを予測してのことであり、通常の変動の範疇であり、トルコリラの下落はリスクファクターではないと発言しています。

トルコではクーデターをきっかけとした、エルドアン大統領の反対派つぶしが激しさを増しており、海外投資家は不安を強めています。しかし、副首相の発言にも見られるように自国の格付けが政治不安から投資不適格とされた後も、手を緩める気配はなく、なりふり構わぬ独裁的中央集権体制確立に動いているようです。
通貨下落も容認というか放置していると考えざるを得ない状況、今後さらなる海外投資資金の還流が懸念されます。

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