ポンドがリードした1週間
今週の円相場はドル円も他のクロス円もポンド円がリードする一週間となりました。毎朝更新している到達確率チャートを並べてみるとよくわかりますので、今週の部分をピックアップし、ポンド円、ドル円、ランド円のチャートを並べてみましょう。
ポンド円、ドル円、ランド円 一時間足
こうして見ると、先週末のロンドン市長によるユーロ離脱支持発言で、ポンド円は月曜朝から既に下げていた動きに、ドル円がNY市場前場からフォロー、ランド円はさらに遅れてNY市場後場からフォローしていることが分かります。
月曜のランド円のコメントではドル円、ランドドル、ランド円とランド円に関連する2つのドル通貨ペアを見ることが重要だという話をさせていただきましたが、このように異なる通貨ペアが短期的なマーケットの動きを先導することもあり、常に何がテーマになっているのか、そしてそのテーマの中心にいる通貨ペアはどのような動きをしているのかを気に留めておく必要があり、今回はそれがポンドであったことがわかります。ユーロドルやドルスイスといった欧州通貨もポンドドルの動きが先導していました。
さて、月曜東京市場のポンド円高値は161.56レベル、そして昨日25日に付けた安値は154.72レベルと、なんと4日間で6.84円もの急落、率にして4.2%とさすがに短期的な動きにしては大きく、またテクニカルに155円台半ばから前半がターゲットとなっていたことも重なり、週末を前にしたポジション調整により本日は一時158円台と約3円半もの戻しを見せています。
本日から始まる上海G20では通貨に関しては通貨安競争は回避すべきと米国側の声も聞こえてきますが、開催国中国の景気が世界経済混乱の主要因となっている中、中国の景気回復への道筋と世界経済安定化への道筋を示せるかどうかが注目材料です。
いったんポンド円も落ち着きを取り戻していますが、来週以降はG20の声明次第ではリスクオンにも、リスクオフにもなりえます。現在も長期的には原油価格、そして株価の動きが為替市場の動きに影響を与える流れが続いていますので、ポンド円におけるリスクオン・オフが現行水準からどちらに動かすこととなるのかが気になる週明けです。
ただ、テクニカルには150円の大台をターゲットとしている下げトレンドにありますので、失望あるいはイベント経過による下げトレンド再開のリスクのほうが高いであろうことを付記しておきたいと思います。
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