トルコ円レポート月曜版
2週間前には「日銀の追加緩和(マイナス金利導入)は、トルコリラをはじめとする新興国通貨においても円安に作用しやすい」と書き、先週は「ドル円が大きく円高に向かい追加緩和前の水準をも下回る水準となったため、結果として新興国通貨でも円高に」と相場観そのものを素早く切り替えていかないとついて行けない値動きとなっていましたが、先週は遂にドル円が一時110円台と1月末から考えると11円近い円高を演じることとなりました。
市場の動きが落ち着いている時には、高金利通貨は日々得られる金利差が大きいものの、ここまで円高が進むとそれを超える下げとなってしまいますので、買っている場合でも時として売った上で買い戻すといった回転を効かせる必要があります。冒頭の意見の切り替わりではありませんが、インターバンクディーラーのコメントを聞いていると、舌の根も乾かぬうちにコロコロと言うことを変えています。逆に取引する金額が大きいだけに、そうでないと市場の流れに飲み込まれて回復不能になってしまうためです。
さて、上記のことも踏まえながらトルコ円のチャートを見てみましょう。
トルコ円4時間足とドル円4時間足
トルコ円4時間足チャートの下段にドル円の4時間足チャートを併記したものです。
ドル円はマイナス金利導入のあった1月29日に高値121.70を付け、2月11日に安値110.99を付けました。いっぽう、トルコ円は1日ずれて2月1日に高値41.12を付け、同じく11日に安値37.63を付けています。高値から考えるとドル円が8.8%、トルコ円が8.5%とほぼ同程度の下げとなっていて、トルコ円の下げは明らかにドル円での円急騰に引っ張られたものであることがわかります。
さすがに、円相場も株式相場も変動が短期間に大きすぎるということで、金曜には日銀総裁と財務官がともに首相官邸を訪れましたが、おそらく今後更なる急変が起きた場合の対処法(円売り介入しか無いと思いますが)について話し合いが行われたことは間違いないところでしょう。緩やかに円高に進むのであれば問題視されなかったはずですが、さすがに10営業日でここまでの円高進行は黙認できないのではないでしょうか。
そうなると、とりあえずの安値を見たということで、どの程度まで戻す可能性があるのかを考えることとなりますが、ドル円では115円台半ばを超えたことで、逆に現在は115円台半ばが強いレジスタンスとなっています。この水準はドル円で言えば38.2%戻しと半値戻しの間くらいの水準です。
もう一度トルコ円のチャートをご覧ください。同じように考えるならば38.2%戻し(38.96)から半値戻し(39.37)のあたりということになります。後者は11日に安値を付ける前の戻しの水準とも重なっていますし、最近では変動幅も大きくなっていますので、レジスタンスとして考えるには良い水準だと思います。いっぽうサポートについては、安値を付けた後に一時的にもみあいとなっていた水準の中心点である38.20レベルを見ておくとよいと思います。
今週のレンジとしては、上記の通り38.20レベルをサポートに、39.40 レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.25
東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.25
ドル円157円台前半、主要市場のクリスマス休暇入りで市場閑散 (12/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は小動きに終始。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.25
トルコリラ円見通し ドル/トルコリラでリラが反騰、20日未明高値とダブルトップ気配(24/12/25)
トルコリラ円の12月24日は概ね4.49円から4.43円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.44円で前日終値の4.46円から0.02円の円高リラ安だった。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:山中 康司
2016.02.22
トルコ円ショートコメント(2016年2月22日)
トルコリラ円は「38.20レベルをサポートに、39.40 レベルをレジスタンスとする流れ」を予想していましたが、
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。