ドル円、上値の重い展開が継続。米長期金利の低下を受けて一時104円割れ(12/8朝)

7日(月)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。

ドル円、上値の重い展開が継続。米長期金利の低下を受けて一時104円割れ(12/8朝)

ドル円、上値の重い展開が継続。米長期金利の低下を受けて一時104円割れ

〇ドル円対欧州通貨でのドル買戻し、リスク回避のドル買いに104.32まで上昇後104円近辺まで反落
〇ユーロドル英、EUの交渉悲観、リスク回避のドル買いに一時1.2078まで下落後持ち直し1.21台を回復
〇ドル円テクニカルには104円台半ばの重さ再確認
〇ファンダメンタルズも米政府が中国要人14人に対する制裁措置に動くなどドル円下落の材料多い
〇株、欧米長期金利ドルインデックスの動向等注視
〇本日の予想レンジ:103.50ー104.30

海外時間の為替概況

7日(月)の外国為替市場でドル円は上値の重い展開。@対欧州通貨でのドル買い圧力や、A欧米株の下落を受けたリスク回避のドル買いが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値104.32まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線をはじめ主要チャートポイントが密集する104円台半ばをバックに伸び悩むと、B新型コロナウイルスの感染拡大や、C米中対立激化懸念(米政府は中国人民代表大会で役職を務める14人に対する制裁措置を発表)、D米長期金利の低下を受けたドル売り圧力が重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、104.00近辺で推移しております(日通し安値は米国時間に記録した103.93)。

7日(月)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。@今週後半(12/10)に予定されているECB理事会での追加緩和観測や、AECB当局者によるユーロ高牽制の思惑、BバルニエEU離脱主席交渉官が漁業権で合意が近いとの見方を「否定」したこと(欧英交渉を巡る悲観論の再燃→英ポンド急落→ユーロ連れ安。EU高官は12/9が英国との通商合意期限と発言)、C欧米株の下落を背景としたリスク回避のドル買いが重石となり、欧州時間にかけて一時1.2078まで下げ幅を広げました。しかし、D米国債利回りの低下を受けてドル買い圧力が一服(ドル買い→ドル売り)すると、米国勢参入後に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.2128近辺で推移しております(日通し高値は米国時間に示現した1.2167。先週末金曜日に記録した約2年7ヵ月ぶり高値1.2178の上抜けには失敗)。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、11/11に記録した高値105.68をトップに反落に転じると、11/18には、一時103.64まで下落しました。この間、一目均衡表基準線及び転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも継続するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象付けるチャート形状となっております(昨日も一時104.32まで持ち直す場面が見られましたが、一目均衡表をはじめ主要チャートポイントが密集する104円台半ばのレジスタンスを上抜けられず結局反落→上値の重さを再確認)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、来週12/16に予定されているFOMCで追加緩和が織り込まれつつある米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立激化懸念(米政府による中国人民代表大会で役職を務める14人に対する制裁措置)、C朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、D新型コロナウイルスの感染拡大リスク(たとえ新型コロナワクチンの供給が開始されたとしても世界中に行き渡るまでには相当な時間を要するとの慎重な見方)、E日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数拡大→本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、F実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、G米追加景気対策の後ずれ観測(財政の崖リスク。米暫定予算の期限は12/11)、H米財政赤字の拡大懸念(米国債の格下げリスク)、I欧英交渉の決裂リスク(EU高官は12/9が英国との通商合意期限と発言。交渉決裂となれば英ポンド急落→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路に注意)など、ドル円相場の下落を想起させる材料が引き続き沢山残っている状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、下落リスクが警戒されます。欧米株や欧米長期金利の動向(リスク回避の株売り・債券買いが見られるか否か)や、ドルインデックスの動き、新型コロナウイルス及びワクチン開発に関するヘッドライン、欧英交渉の続報(12/9が交渉期限)、米中対立を巡るヘッドライン(米政府による制裁に対して中国側が報復措置を見せるか否か)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(先週木曜日に記録した安値103.67を試すシナリオを想定)。

本日の予想レンジ:103.50ー104.30

注:ポイント要約は編集部

ドル円、上値の重い展開が継続。米長期金利の低下を受けて一時104円割れ

ドル円日足

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