ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏へ急落。節目104円割れも射程圏内
〇ドル円米景気対策への楽観後退と大統領候補TV討論前のポジション調整に急落、104円台前半へ
〇ユーロドルは1.1881まで急伸米要因でのドル売りに加え、EUと英国の通商交渉再開がサポート
〇ドル円テクニカルには地合いの弱さ印象付けるチャート形状、ファンダメンタルズもドル円下落材料多い
〇ドル円の全面安継続を予想、104円割れも 本日の予想レンジ:104.00ー104.80
海外時間の為替概況
21日(水)の外国為替市場でドル円は急落。@米追加景気対策期待の後退(たとえムニューシン米財務長官とペロシ議長の意見が纏まったとしても上院通過は困難との見方)や、A米政治の先行き不透明感(日本時間明日午前に予定されている大統領候補討論会を前にしたポジション調整)、Bテクニカル的な地合いの弱さ、C短期筋の見切り売り(節目105円割れに伴うロスカット)、D対英ポンドでのドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる104.33まで急落しました(9/21以来の安値)。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、104.50近辺で推移しております。
21日(水)のユーロドル相場は堅調な展開。@米追加景気対策期待の後退や、A米政治の先行き不透明感、B英合意無き離脱リスクの後退(英国と欧州連合が通商交渉を再開→英ポンド急伸→ユーロ連れ高)、C一目均衡表雲上限突破に伴うロスカット(短期筋のストップBUY)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、約1ヵ月ぶり高値となる1.1881まで急伸しました(9/16以来の高値)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1860近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、昨日は一時104.33(約1ヵ月ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い下落トレンド入りを示唆する弱気のバンドウォークも発生するなど、テクニカル的にみて、地合いの弱さを印象付けるチャート形状となっております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク(トランプ米大統領は中国の6メディアを「宣伝組織」に追加認定)、C米政治の先行き不安(日本時間明日午前に予定されている大統領候補討論会や、11/3の米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染拡大の動き)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれリスク(追加景気対策を巡る報道は二転三転)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、続落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米追加景気対策を巡るヘッドラインや、欧米株や米長期金利の動向、米主要経済指標の結果(米新規失業保険申請件数や、米9月中古住宅販売件数、米9月景気先行指数など)、米大統領候補討論会(日本時間明日午前)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(ドル全面安の継続を予想。心理的節目104円を割り込むシナリオも想定)。
本日の予想レンジ:104.00ー104.80
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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