ドル円、トランプ米大統領による追加景気対策の増額指示を受けて上昇(10/16朝)

15日(木)の外国為替市場でドル円は上昇。

ドル円、トランプ米大統領による追加景気対策の増額指示を受けて上昇(10/16朝)

ドル円、トランプ米大統領による追加景気対策の増額指示を受けて上昇

〇ドル円105円台半ば対欧州通貨でのドル買い、トランプ大統領の追加経済対策増額指示と株価下げ縮小で
〇ユーロドル軟調英合意なき離脱リスクの高まり、欧州の感染拡大、米追加経済対策期待で一時1.17割れ
〇ドル円やや反発するもテクニカルには上値の重さ印象づける
〇ファンダメンタルズもドル円下落材料山積
〇ドル円反落がメインシナリオ 本日の予想レンジ:105.00ー105.80

海外時間の為替概況

15日(木)の外国為替市場でドル円は上昇。@本邦公表相場決定に絡むドル買い・円売り(5・10日要因)や、A英国の合意無き離脱リスクの高まりを背景とした対欧州通貨でのドル高圧力、Bトランプ米大統領による新型コロナウイルスを巡る1.8兆ドル規模の追加経済対策案の更なる増額指示、C上記Bを受けた米主要株価指数の下げ幅縮小が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値105.50まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、105.47近辺で推移しております。

15日(木)のユーロドル相場は軟調な展開。@英国の合意無き離脱リスクの高まり(フロスト英・EU担当交渉官はEU首脳会議に失望を表明し、10/16に対応策を公表する旨発表→英ポンド下落→ユーロ連れ安)や、A欧州圏における新型コロナウイルスの感染拡大懸念(ハンコック英保健・社会福祉相は「新型コロナウイルスの新規制としてロンドンを警戒レベルTier2へ引き上げる」と発表)、B欧州委員会による「加盟国は新型コロナウイルスの新たな拡大局面への備えが出来ていない」との警告報道、C欧米株の冴えない動き(リスク回避ムード再燃→ドル高)、Dトランプ米大統領による新型コロナウイルスを巡る1.8兆ドル規模の追加経済対策案の更なる増額指示(ドル買い要因)が重石となり、米国時間にかけて、9/30以来となる安値1.1689まで下落しました。引けにかけて小反発するも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間4時40分現在)では、1.1705近辺で推移しております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/14には一時105.04(約2週間ぶり安値)まで下落しました。この間、一目均衡表雲下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線や基準線を下抜けするなど、テクニカル的にみて、上値の重さを印象付けるチャート形状となっております(昨日はやや反発に転じるも、105円台半ばには一目均衡表転換線や基準線がレジスタンスとして控えている為、ここからの続伸余地は乏しい=戻り売り圧力に警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(米新規失業保険申請件数が予想外に増加)、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不安(11/3に予定されている米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心に感染再拡大の動き。昨日は米中西部で新規感染者数や入院者数が過去最多を更新)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株価の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H米追加景気対策の後ずれリスク(追加景気対策を巡る報道は二転三転)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。

以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、続落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや米追加景気対策期待を巡るヘッドラインや、欧米株や米長期金利の動向、米主要経済指標の結果(米9月小売売上高や、米9月設備稼働率、米9月鉱工業生産、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数など)、英国の合意無き離脱リスクを巡る続報(フロスト英・EU担当交渉官は10/16に対応策を公表する旨発表)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(リスク回避ムード再燃→クロス円下落→ドル円連れ安の波及経路を想定)。

本日の予想レンジ:105.00ー105.80

注:ポイント要約は編集部

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ドル円日足

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