ドル円、安値圏から持ち直すも戻りは鈍い。クロス円の下落がドル円の重石
〇ドル円中国経済の早期回復期待、IMFの世界経済見通し上方修正に105.64まで上昇
〇その後、米製薬大手によるワクチン開発中止報道、売株下落等で105.50に下押し
〇ユーロドル英国のEU離脱協議をめぐる不透明感、独指標の悪化、株価軟調で一時1.1731まで下落
〇ドル円テクニカルには上値の重さ印象づける形状、ファンダメンタルズも反落不安材料山積み
〇本日の予想レンジ:104.90ー105.70
海外時間の為替概況
13日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@中国の9月輸出入の急増を背景としたリスク選好ムードの高まり(世界的な外出制限緩和→中国経済の早期回復期待)や、A国際通貨基金(IMF)による2020年世界経済見通しの上方修正(結果▲4.4%、前回▲5.2%、※但し2021年見通しは下方修正)、B対欧州通貨でのドル買い圧力が支援材料となり、米国時間にかけて、高値105.64まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、C米製薬大手企業による「開発中の新型コロナウイルスのワクチン治験を安全性の問題で停止した」との報道や、D米追加景気対策期待の後退、E米主要株価指数の下落も重石となり、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.50近辺まで押し返される展開となっております。
13日(火)のユーロドル相場は下落。@英政府が定めた10/15のFTA合意期限を前にした警戒感(バルニエ欧州連合首席交渉官による「ブレグジット交渉はこれまでのところ十分ではない」との発言や、スラック英首相報道官による「英国は合意無き離脱の準備と意思がある」との発言)や、A欧州圏における新型コロナウイルス感染拡大懸念、Bドイツ10月ZEW景況感調査(結果56.1、予想74.0)の急低下、C欧米株の軟調推移を背景としたリスク回避ムードが重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1731まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1747近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、10/7に記録した約3週間ぶり高値106.12をトップに反落に転じると、10/12には一時105.24まで下落しました。この間、一目均衡表雲下限や転換線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けするなど、テクニカル的にみて、上値の重さを印象付けるチャート形状となっております(昨日はやや持ち直す動きを見せたものの、一目均衡表転換線や雲下限をバックにここからの上値余地は限定的)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違いや、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中対立先鋭化リスク、C米政治の先行き不安(11/3に予定されている米大統領選への不透明感)、D朝鮮半島や中東、香港や中央アジアを巡る地政学的リスク、E新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(欧米を中心としたロックダウン再開リスク及び、ワクチン開発の遅延リスク)、F日本経済の先行き不透明感(本邦の景気先行き不透明感→デフレ懸念→円の実質金利上昇→円高)、G実体経済と株式相場の乖離(過剰流動性相場の巻き戻しリスク)、H英合意無き離脱リスクの再燃(事実上のブレグジット交渉期限10/15を前にした警戒感)、I米追加景気対策の後ずれリスク(財政の崖リスク)など、ドル円相場の反落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、反落リスクが警戒されます。新型コロナウイルスや英国情勢を巡るヘッドライン、欧米株や米長期金利の動向、米主要経済指標の結果(MBA住宅ローン申請指数や、米9月生産者物価指数など)、米追加景気対策に関する続報を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(欧米株の下落を背景としたクロス円下落→ドル円連れ安の波及経路に要注意)。
本日の予想レンジ:104.90ー105.70
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.25
東京市場のドルは154円台を回復、ベッセント氏発言がドル買い材料となるか(24/11/25)
東京時間のドル・円は、153円台まで下落していたが、次期米財務長官に指名されたベッセント氏によるドル高容認発言が伝わったことで154円台まで値を戻した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.25
ドル円 基本はレンジ見込みだが予断許さず(11/25夕)
週明けの東京市場は「行って来い」。一時ドル売りが優勢となったが底堅く、そののちVの字型の回復をたどっている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2024.11.25
ドル円 もみあい継続するも動くならば下方向の調整か(週報11月第4週)
ドル円も154円割れではドル買いが出てくる展開になっていました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2020.10.14
ドル円見通し 先週末からの下げ一服、105円台序盤から戻すが勢いに欠ける(20/10/14)
13日の為替市場では先週までのドル全面安から一転してドル高へ進んだ。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2020.10.13
米大統領選などにらみつつもレンジ継続か(10/13夕)
13日の東京市場は、レンジ取引。105円台前半、20ポイント程度のなかでの一進一退にとどまるなど、明確な方向性は乏しかった。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。