海外時間の為替概況
〇ドル円105円台で方向感なく推移一時105.32まで下落
〇米指標はADPは不冴えISM非製造業指数は1年ぶり高水準とまちまち
〇ユーロドルは1.1906まで上昇後1.1865まで反落
〇先週後半以降の上昇分を概ね吐き出す展開、テクニカルにはドル円の地合いは弱い
〇米中対立激化と米政治不安を背景に対主要通貨でのドル売り継続か、直近安値104.78を試す展開を想定
〇本日の予想レンジ:105.00ー106.00
5日(水)の外国為替市場でドル円は下落後に持ち直す展開。@米中対立激化リスクの高まり(ドル売り)や、A米追加財政合意期待の後退、B米追加緩和観測の高まり、C米7月ADP雇用統計(結果16.7万人、予想120.0万人)の冴えない結果(週末の米雇用統計が下振れるとの警戒感を想起)、D欧米株の堅調推移を背景としたリスク選好のドル売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値105.32まで下落しました。しかし、その後発表されたE米7月ISM非製造業景況指数(結果58.1、予想55.0)が力強い結果(約1年ぶり高水準)を示すと下げ止まり、引けにかけては持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、105.60近辺で推移しております。
5日(水)のユーロドル相場は堅調な展開。@米中対立リスクの高まり(ドル売り)や、A米追加緩和観測の高まり(ドル売り)、Bユーロ圏6月小売売上高(結果1.3%、予想▲0.5%)の良好な結果(ユーロ買い)、C米7月ADP雇用統計の冴えない結果(ドル売り)、DEU復興基金に対する期待感(欧州経済の回復期待→ユーロ買い)が支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1906まで上昇しました(7/31に記録した直近高値1.1910まで後一歩に迫る展開)。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4時45分現在)では、1.1865近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、7/28に記録した安値104.78(約4ヵ月半ぶり安値)をボトムに反発に転じると、8/3には一時106.47まで上昇しました。但し、一目均衡表基準線やボリンジャーミッドバンドの上抜けに失敗したこと、強い売りシグナルを示唆する三役逆転が継続中であることに鑑みれば、テクニカル的にみて「地合は弱い」と判断できます。事実、昨日は一時105.32まで下落するなど、先週後半以降の上昇分を概ね吐き出す展開となっております(106円台を維持出来ず反落→上値の重さを嫌気した短期勢による見切り売りを誘発)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策余力の違い(追加緩和余地の乏しい日本と、積極的な緩和方針の継続を示した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(ADP雇用統計が弱かったことで今週末の米雇用統計への警戒感が高まりつつある)、B米中対立激化懸念、C世界的な貿易戦争拡大リスク、Dトランプ米大統領の支持率低下(米政治の先行き不透明感の高まり)、E朝鮮半島や中東、香港を巡る地政学的リスク、F新型コロナ第2波リスク、G日本経済の先行き不透明感(本邦における新型コロナ感染者数再拡大→日本経済低迷→デフレマインド再燃→予想実質金利上昇→円高への波及経路)など、ドル円相場の下落を想起させる不安材料が山積みの状態です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「上値の重さ」が警戒されます。欧米株及び商品市況の動向や、新型コロナウイルスおよび米中対立激化に絡むヘッドライン、米追加財政合意を巡る続報、米主要経済指標の結果(米新規失業保険申請件数など)を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(米中対立激化と米政治不安を背景に対主要通貨でのドル売り継続。7/28に記録した直近安値104.78を試す展開を想定)。
本日の予想レンジ:105.00ー106.00
ドル円日足
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