ドル円、株高を背景に109円台を回復。悪材料出尽くしでリスク選好ムード広がる
海外時間の為替概況
6日(月)の外国為替市場でドル円は上昇後に伸び悩む展開。@米国や欧州にて新型コロナウィルスの感染者増加ペースが鈍化したことや、Aボリス・ジョンソン英首相が入院しつつも健康状態は良好と報じられたこと、B本邦にて緊急事態宣言が発動される可能性が高まったこと(悪材料出尽くし感)、Cアジア株や欧米株の上昇を受けたグローバルなリスク選好ムード(円売り圧力)、D米長期金利上昇を受けたドル高圧力、Eサウジアラビアとロシアが原油減産合意に近づきつつあるとの一部報道などが支援材料となり、欧州時間序盤にかけて、3/27以来、約1週間ぶり高値となる109.38まで上昇しました(日本時間早朝に記録した日通し安値108.35から1円以上の上昇)。しかし、一目均衡表転換線(109.30)や、一目均衡表雲上下限(109.86)に続伸を阻まれると、米国勢参入後は伸び悩む展開に。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、109.10近辺で推移しております。
昨日のユーロドル相場は上値の重い展開。@欧州圏における新型コロナウィルスの感染者増加ペースが鈍化したことや、Aボリス・ジョンソン英首相が入院しつつも健康状態は良好と報じられたこと、B欧米株の上昇を背景にリスク選好ムードが広がったこと(ユーロ円上昇→ユーロドル連れ高)等が支援材料となり、アジア時間引けにかけては、高値1.0835まで上昇しました。しかし、C米長期金利の上昇(対主要通貨でのドル高圧力→ユーロドル下落)や、DECBによる追加緩和観測(欧州債利回り低下→ユーロ売り)が重石となると、海外勢参入後に再び下落(安値1.0771)。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.0791近辺で推移しております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、4/1に記録した約2週間ぶり安値106.91をボトムに反発に転じると、昨日は一時109.38まで上昇しました。この間、ボリンジャーミッドバンドや、一目均衡表基準線、200日移動平均線を上抜けするなど、テクニカル的に見て、やや底堅さを印象付けるチャート形状となりつつあります。目先は、昨日続伸を阻んだ一目均衡表転換線や、一目均衡表雲下限を突破できるか否かに注目が集まりそうです。
但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@日米金融政策の方向性の違い(追加緩和手段に乏しい日本と、無制限量的緩和を決定した米国)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感(新規失業保険申請件数や、米雇用統計の大幅な悪化)、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大長期化リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の不安定化、H本邦における先行き不透明感(緊急事態宣言発動)など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。
以上の通り、ドル円は、テクニカル的に持ち直しの兆しを見せつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻む展開が想定されます(上値余地は限定的)。米FRBによる量的緩和拡大(ドル売り要因)や、米経済指標の大幅悪化(ドル売り要因)、本邦における先行き不透明感の高まり(円高要因)、リスク回避ムードの再燃リスク(クロス円売り→ドル円連れ安の流れ)が重石になると見られ、新型コロナウィルスを巡るヘッドラインや、原油価格の動向、本邦における緊急事態宣言を巡る続報、世界的な株価の動きを睨みながらも、ドル円相場の反落をメインシナリオとして予想いたします(クロス円下落→ドル円連れ安の波及に注意)。
本日の予想レンジ:108.50ー109.80
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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