ドル円、急落後に急伸するなどボラタイルな相場が継続。FRBの流動性供給を好感(3/13朝)

12日(木)の外国為替市場でドル円は乱高下(急落後に急反発)。

ドル円、急落後に急伸するなどボラタイルな相場が継続。FRBの流動性供給を好感(3/13朝)

ドル円、急落後に急伸するなどボラタイルな相場が継続。FRBの流動性供給を好感

海外時間の為替概況

12日(木)の外国為替市場でドル円は乱高下(急落後に急反発)。@新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムードや、A世界保健機関(WHO)による「パンデミック」認定、B日経平均株価の急落、Cトランプ米大統領による「欧州からの入国を30日間停止する」との発言が重石となり、日本時間正午にかけて、一時103.10まで急落しました。しかし、節目103円を前に下げ渋ると、D米連邦準備理事会(FRB)が600億ドル規模の国債買い入れなど流動性供給策を発表したことや、E上記Dを受けて米主要株価指数が下げ幅を縮小させたこと等が支援材料となり、ドル円は俄かショートのロスカットを巻き込みながら、一時106.07まで急伸しました。もっとも、106円付近で戻り売り意欲も根強く、引けにかけては再び反落。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、105.40近辺で推移するなど、ボラタイルな相場展開が続いております。

昨日のユーロドル相場は急落後に持ち直す展開。@トランプ米大統領による「欧州からの入国を30日間停止する」との発言や、AECB理事会による追加緩和発表(政策金利を据え置くも、2020年末までの資産買入総額を1200億ユーロ増額するとの発表)、B米国債利回りの上昇に伴うドル高、C新型コロナウィルスの感染拡大を受けたグローバルなリスク回避ムード(対ユーロでのドル高・円高・スイス高)が重石となり、米国時間には一時1.1056(3/2以来の安値)まで急落しました。しかし、D米連邦準備理事会(FRB)が600億ドル規模の国債買い入れなど流動性供給策を発表したことや、E上記Dを受けて米主要株価指数が下げ幅を縮小させたこと等が支援材料となると、引けにかけて持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間4時30分現在)では、1.1194近辺で推移するなど、ボラタイルな相場展開が続いております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、2/20に記録した約10ヶ月ぶり高値112.21をトップに反落に転じると、3/9には、一時101.19(約3年4ヶ月ぶり安値)まで急落しました。この間、一目均衡表雲転換線や基準線、一目均衡表雲上限及び雲下限、ボリンジャーミッドバンドや200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転及び、強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークも発生するなど、テクニカル的に見て「地合いの弱さ」を強く印象付けるチャート形状となっております(※トランプ米大統領による経済対策や、FRBによる流動性供給策の発表を受けて、足元反発に転じるも、節目106円前後では伸び悩む展開が継続)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(緊急利下げに踏み切る米国と、追加緩和手段に乏しい日本)や、A米国ファンダメンタルズの先行き不透明感、B米中貿易摩擦の再燃リスク、C朝鮮半島や中東を巡る地政学的リスク、D新型コロナウィルスの感染拡大リスク(米長期金利低下→ドル売りと、米株安→リスク回避の円買いの2つの波及経路)、E英合意なき離脱の再燃リスク、F米大統領選挙の先行き不透明感、G原油価格の急落など、ドル売り・円買いを想起させる懸念材料は引き続き沢山残っている状況です。

以上の通り、ドル円は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。トランプ減税やFRBによる流動性供給策の発表を受けて都度持ち直す場面は見られるものの、106円前後では上値も重く、リスクは依然「下向き」と判断できます(世界各国の経済対策や金融政策を受けても尚、金融市場の動揺が一向に収まらない不安定な状態)。本日発表される一連の米経済指標(3月ミシガン大消費者信頼感指数など)が市場予想を下回る不冴な結果となった場合や、新型コロナウィルスに絡むネガティブな報道がなされた場合などには、「米景気減速懸念→米利下げ観測→米長期金利低下→ドル売り」の経路と、「世界経済の低迷→グローバルな株安→リスク回避の円買い」の双方の経路で、ドル円が再び押し下げられるリスクが警戒されます(特にクロス円売りに伴うドル円下落に警戒)。米株・米長期金利及び原油価格の動向や、新型コロナウィルスを巡るヘッドライン、米経済指標の結果を睨みながらも、当方では引き続き、ドル円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(節目106円をバックに戻り売り方針)。

本日の予想レンジ:103.50ー106.50

ドル円、急落後に急伸するなどボラタイルな相場が継続。FRBの流動性供給を好感

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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