米株の動きは依然不安定、為替も乱高下続く
<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、ドル安・円高。日経平均などの株安もあり、再び108円を割り込む局面も観測されていた。
ドル/円は108.30円前後で寄り付いたのち、しばらくは小高い。その過程で108.50-55円の日中高値を示現している。しかし、昨日も越えられなかった108.60円の壁に阻まれるとドルは反落。日経平均株価が再び弱含み、終値ベースで261円安となったことなどが嫌気されると、ドル/円も連れ安となり108円を割り込んだ。107.65円レベルまで軟化したのち、16時時点では107.80-85円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナウイルス」と「米利下げ圧力」について。
前者は、新型ウイルスへの金融支援策として日米中銀トップによる発言が聞かれたことに続き、IMFと世銀が共同声明発表。「緊急融資を含む経済的、人道的な課題に対応できるよう支援する用意を整えている」ことを明らかにした。そうしたなか、G7財務相による緊急電話会談が今晩実施されると発表されたものの、ロイターによると、会談後公表される声明に「協調利下げ」の文言は盛り込まれない見通しとされ、こちらは市場筋の失望を呼ぶ格好に。
対して後者は、先週末にパウエルFRB議長が利下げを示唆するコメントを発していたが、政権側は依然として満足していないようで、クドローNEC委員長やムニューシン財務長官など複数要人から引き続き強いプレッシャーが観測されている。また、トランプ米大統領からも「FRBは行動が遅い」、「パウエル氏は就任初日から判断を誤っていた」などと痛烈な批判が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
わずか数日のうちに、NYダウは「史上最大の下落」をたどっただけでなく、今度は「史上最大の上昇」も記録している。依然として値動きは不安定で、落ち着きどころを探る荒っぽい上下動がしばらく続きそうだ。為替も、激しい株価の動きに合わせ、乱高下をたどる公算が大きいだろう。マーケット・ボラティリティが高い状況にあるため、思わぬ価格変動には本日も要注意。
材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因はいまだ多い。そうしたなか、もっとも注意を要するのはいまだ「新型コロナウイルス」絡みの話題で、なかでも実際に被った経済などの被害や、それを踏まえた対応策が注視されている。ちなみに、本日でいえば先でも取り上げた「G7財務相・中銀総裁による緊急電話会合」が21時からに実施される見込みだ。ロイターによると「協調利下げ」の文言は盛り込まれない見通しだが、実際の会談で変更されることに期待を抱く声も少なくない。
テクニカルに見た場合、イレギュラー的な動きだった昨日早朝の107円割れワンタッチについて、「一連の局面におけるフラッシュクラッシュ」などと指摘、ドルの下値リスクはかなり軽減されたとの見方も。
しかしドルの上値も重く、昨日そして本日と、時間足ベースでは2度108.60円手前でレジストされたことは若干気掛かり。同レベルが強い抵抗として意識される可能性もある。
本日はとくに目立った米経済指標の発表はなく、やや動きにくい雰囲気。メスター・クリーブランド連銀総裁による講演など、当局者による発言機会が少なくないうえ、政治要因として、いわゆる「米大統領選のスーパーチューズデー」を迎えることにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.30-108.70円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線が位置する108.40円レベル、そして東京高値にあたる108.55円レベルの攻防にまずは注視。超えれば109円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の107.65円レベルが最初のサポート。割り込むようだと、昨日早朝の時間外で示現した107円レベルを意識した展開も。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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