ドル円、米中報道に振らされながらも108円台半ばで一進一退(11/20朝)

19日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。

ドル円、米中報道に振らされながらも108円台半ばで一進一退(11/20朝)

ドル円、米中報道に振らされながらも108円台半ばで一進一退(11/20朝)

海外時間の為替概況

19日(火)の外国為替市場でドル円は上昇後に反落。@CNBC記者による「中国政府が米国との通商合意を巡り悲観的なムードになっている」とのツイート(11/18)を受けて、アジア時間朝方に一時108.46まで下げ幅を広げるも、A堅調な株式相場を横目にリスク選好ムードが広がると、欧州勢参入後に高値108.83まで反発しました。もっとも、200日移動平均線が走る109円付近では戻り売り意欲も根強く、その後は、B米主要株価指数の下落(ダウ平均株価は一時135.85ドル安)や、C米長期金利の低下(米10年債利回り1.826%→1.779%)、Dトランプ米大統領による「中国と通商問題で合意できなければ、対中関税を一段と引き上げる」との発言を背景に再び下落し、

米国時間午後にかけては、安値108.45まで下げ幅を広げました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、本稿執筆時点(日本時間朝4時20分現在)では、108.53近辺で推移しております。尚、昨日は一部米メディアより「米政府は2018年に課された2500億ドル相当の関税の一部撤廃を検討」とのヘッドラインが報じられましたが、ドル円相場の反応は限定的となりました。

一方、ユーロドル相場は方向感に欠ける展開。@調査会社ユーガブの世論調査で12/12投開票の英総選挙でジョンソン首相率いる与党保守党の劣勢(与党保守党と野党労働党の支持率が前回の17ポイント差から12ポイント差に縮小)が報じられたこと(英ポンド下落→ユーロ連れ安)で上値を重くする場面も見られましたが、A米長期金利の低下がドル売りを誘うと、1.1084まで反発しました。もっとも、一日の値幅(高値と安値の差)がわずか21pointに留まるなど、方向感を見出しづらい時間帯が続いております。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、一時108.84まで上昇するも、200日移動平均線108.99や、一目均衡表転換線108.88に続伸を阻まれる形で反落に転じました。この間、年初来安値104.45(8/26)を起点とした中期サポートラインや、ボリンジャーミッドバンド108.77、一目均衡表基準線108.70を割り込むなど、テクニカル的に見て、上値の重さ(上昇→中立へのトレンド転換)が意識されるチャート形状となりつつあります。

ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策格差(利下げに踏み切ったFOMCと、追加緩和の見送りを決めた日銀)や、Aトランプ米大統領の弾劾リスク(米下院はロシア疑惑捜査への虚偽報告を巡りトランプ米大統領の調査を再開)、B米経済の先行き不透明感、C香港情勢の悪化、D米中協議を巡る先行き不安など、ドル安・円高に繋がり易い材料が増えつつあります。

以上の通り、ドル円はテクニカル的も、ファンダメンタルズ的にも、「上値の重さ」が意識されます。米中報道が二転三転する中、最終合意締結までは予断を許さず、今後も米中を巡るヘッドラインに振り回される不安定な地合いが続くと考えられます。

目先は先週11/14に記録した安値108.25がターゲットとなりますが、アジア株や欧米株が底堅く推移すれば(崩れなければ)、昨日同様、ドル円が再度上昇に転じる可能性もありそうです。もっとも、米中関連報道はネガティブなヘッドラインにより反応し易くなっており(※昨日も一部米メディアより「米政府は2018年に課された2500億ドル相当の関税の一部撤廃を検討」とのヘッドラインが報じられましたが、ドル円相場の反応は限定的となった)、リスクは「やや下方向」と考えております。米中を巡るヘッドラインを睨みながらも、当方では「ドル安・円高」をメインシナリオとして予想いたします。(本日の予想レンジ:108.00ー109.00)

ドル円、米中報道に振らされながらも108円台半ばで一進一退(11/20朝)

ドル円日足

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