ドル円:5月23日のファンダメンタル分析
ドル円は、直近では110円台へと大台を回復したことから、少なくとも一時の105円台までの過度と思える変動からは脱しています。しかも、年初の121円台からの動きを考えると、105円台まで円高が進んだ要因の半分は日銀の金融政策(1月のマイナス金利導入後の円高、4月の失望による円高)を直接のきっかけとしていることもあり、日本側としてもあまり強くは出られないという面は常に市場参加者が考えるところかと思います。
今週は伊勢志摩サミットがあり、こちらでは為替はテーマとはならないものの、今後の世界経済が上向くきっかけが提示されるかどうか、今週はそのあたりの思惑が株価と為替に影響を及ぼすものと考えられます。週初はまだG7直後ということで、次の材料(サミット関連)待ちとなるでしょうから、ドル円も金曜のレンジ内での動き、109.90レベルをサポートに、110.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
ドル円:5月23日のテクニカル分析
金曜の為替市場はG7を控えて目立った材料が無い中、株価とともにじり高の展開を辿りました。NY市場の前場には、ドル円は110.59レベルと直近高値を更新、連日値動きの乏しいユーロドルからユーロ円も一時124.05レベルまで水準を切り上げました。後場に入ってからは週末前のポジション調整が主となり、それぞれやや調整が入ってのクローズとなりました。
G7では新たな材料が出て来ることはなく、円安回帰を希望する日本(麻生財務相)と、それを認めない米国(ルー財務長官)とが、それぞれこれまでの発言を繰り返すに留まりましたが、これまでのG7、G20の合意を確認したということから「過度の変動や無秩序な動き」と「通貨の競争的切り下げ」を回避するという流れの中、現在の円相場は無秩序と言えず、円安誘導は認められないという米国の主張が、長期的には円相場の重しとなってくる可能性のほうが高いと考えるべきでしょう。
オーダー/ポジション状況
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