ドル円108円台半ば 週末の英議会でのEU離脱帰結見極め
18日の東京市場でドル円は108円台後半で方向感なく推移。値幅は本日も薄く108.54-69の15銭、東京時間11:30現在は108.58レベルでの取引です。
朝方発表された本邦9月の消費者物価指数は、前年比+0.2%と事前予想通りの内容。
また、午前中に発表された中国の7−9月期のGDPは事前予想+6.1%を下回り、前年同期比で+6.0%と統計を遡れる92年以降最低値を記録、貿易戦争の影響を色濃く反映する形となりました。ただ、一方で同時に発表された9月の鉱工業生産は前年比+5.8%とこちらは事前予想+4.9%を大きく上回る数値、小売売上高も事前予想通りながら前月を上回る+7.8%と底堅さを見せ、全体ではまちまちの結果となり、いずれもドル円への反応は限定的でした。
昨晩の海外市場では序盤に英政府とEUが離脱案で合意したとの報道が伝わり、ドル円は一時108.94まで上伸しました。しかし、その後発表された鉱工業生産等の米指標が悪い内容であったこと、EU離脱に関しても最終的には英議会の議決が必要であるのに対して、過半数の票を集めることはできないとの見方が優勢であることから急速に期待がしぼみ、108円台半ばに反落。
ジョンソン英首相は事前の予想を裏切り、EU側にも修正に応じないとの意見も強かった中でよく修正案に対する合意を取り付けたものだと思いますが、EUとの合意までであれば前任のメイ首相も再三達していた話であり、問題となるのは19日の英議会での承認です。
今回は労働党のみならず閣外協力関係にある北アイルランドの民主統一党(DUP)の支持も得られておらず、可決は難航が予想されます。
「北アイルランドが関税同盟から離脱しつつもアイルランドとの国境は作らず、農産品と工業製品ではEUの単一ルールの規則にとどまる」との玉虫色の解決策の実効性と合意なき離脱の不利益とを天秤にかけ、議会で採決を強行突破できるかは現段階では明らかでありません。また、否決となった場合に、EUに離脱の再延期を要請するのか、それをEUが受け入れるのかも不透明。ドル円を含め各市場ともこの帰結を見極めるまでは一方向には動きにくい状況が続きそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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