(1)FOMCステートメント
以下はステートメントの和訳となっています。
7月のFOMC会合以降に入手した情報では、労働市場は依然強く、経済活動は緩やかに上昇している。平均的に見て、ここ数ヶ月の雇用は堅調であり、失業率は依然低い。家計消費は強いペースで上昇しているけれども、企業の固定投資や輸出は弱かった。12ヶ月ベースでみて、全般的なインフレや食料・エネルギー除くインフレは2%を下回って推移した。今後予想される期待インフレ(原文inflation compensation:FRBはブレークイーブンインフレの意味で使われています)に関する市場調査でも依然低いままであり、長期インフレ期待の調査ベースでもほとんど変わらなかった。
FRBに与えられた法定任務に関し、委員会は最大雇用を促進し物価安定を目指している。抑えられたインフレ圧力と同様に世界経済の進展具合に鑑みて、委員会はFFレートの目標レンジを1.75〜2.00%に下げることを決定した。この行動は、以下の委員会見通しを支えてくれる。すなわち、経済拡大、強い雇用状態を維持し、あるいはインフレを委員会目標の2%に近づける動きに寄与できるだろう。しかし、この見通しに関する不確実性も残っている。委員会はFFレートの目標値に関する将来の道のりに関して熟慮しているが、それは、強い雇用を維持しインフレ2%目標を伴いながら、今後入手する経済見通しに関する情報を精査し、経済拡大を維持するに適切な行動を取り続けることである。
FFレートの目標値に関し、将来の調整についての時期や大きさを決定するに際しては、委員会は既発の、あるいは予想される経済状態を確りと査定していくことになろう。この査定は幅広い情報を考慮していくことになる。この情報の中には労働市場の状況を示すものや、インフレ圧力、あるいはインフレ期待、金融や国際情勢の進展具合を含んでいる。
決定に賛成者:パウエル、ウィリアムズ、ボウマン、ブレイナード、クラリダ、エバンス、クォールズ。
決定に対する反対者:ジェームス・ブラード、彼はFFレート目標値の一層の低下1.5〜1.75%を選好。
エスサー・ジョージとローゼングレンの2名はFFレートの目標値を2.00〜2.25%の現状維持を選好した。
(注:前回の7月末会合時は2〜2.25%の据え置きを選好した上記2名だけでした)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
(2)経済見通し(2019年9月時点)
FRBの経済見通しについては、6月時点と9月時点比較で、GDPと失業率の一部に修正が入りましたが、概ね前回と変更ありません。
(修正)
2019年GDP:6月時2.1%⇒9月時2.2%に上方修正
2021年GDP:6月時1.8%⇒9月時1.9%に上方修正
2019年失業率:6月時3.6%⇒9月時3.7%に下方修正
一番上から、GDP、失業率、インフレ(今回9月時:赤線上、前回6月時:赤線下)
(3)CME Fedwatch(今回利下げしたので、FFレート目標値を記載しています)
僅か1日ですが、あと1回の利下げ予想の割合が増えています。新たにこの数値をスタートにして金利見通しが変化していきます。
ドル円相場はFOMC前に108円10銭〜15銭で推移していましたが、今回の利下げも予防的との見方に108円48銭までドルが買われて108円40銭付近でNY市場は終わりました。
NYダウはFOMC前に前日比は水面下で推移していましたが、利下げ好感から買い戻されて37ドル高で引けました。ナスダックは9ポイント安で引けています。債券は10年債金利が1.8%から1.79%と小幅安(価格高)になっています。
FOMCを通過したにも関わらず、107円70銭〜108円40銭の狭いレンジを抜け切れずにいます。昨日のNY高値は108円48銭までありましたが、現在は108円割れとなっており、週足では今のところ上ヒゲとなっています。
本日の日銀金融政策は現状維持の据え置きとなり予想通りでしたが、米欧の緩和実施と比較した据え置きに、嫌気したドル売り円買いが入っています。
目先は上記レンジの下限を抜けるか否かを確認する相場になっています。もし下限を切れた場合には、107円50銭、107円10銭〜20銭サポートを試す流れになります。逆に下限維持してレンジ上抜けで、108円60銭〜80銭、109円10銭〜20銭の抵抗線は変わりません。
(2019年9月19日12:45、1ドル=107円84銭、1ユーロ=1.1035ドル)
オーダー/ポジション状況
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