米長期金利上昇とリスク回避ムード後退を背景に直近高値を再び更新
海外時間の為替概況
9日の外国為替市場でドル円は底堅く推移。先週末金曜日に発表された米・8月非農業部門雇用者数(NFP)が市場予想を下回ったことで、ドル円はアジア時間にかけて、一時106.77まで下げ幅を広げました。しかし、直近安値(9/6)106.62をバックに押し目買いが強まると、@米長期金利の上昇や(米10年債利回りは1.559%→1.635%)、A合意なき離脱リスクの後退、B市場予想を上回る英国経済指標、C上記ABを受けた「ポンド円のショートカバー(130.81→132.54)→ドル円連れ高」の流れが支援材料となり、米国時間引けにかけては、約1ヶ月ぶり高値となる107.28まで反発しました。
一方、ユーロドルは上昇するも伸び悩む展開。英国の合意なき離脱リスクの後退や、良好な英国経済指標を背景に英ポンドが急伸する中、ユーロドルも連れて底堅い動きが継続し、米国時間午後にかけては、一時1.1068まで上昇しました。しかし、ボリンジャー・ミッドバンドに続伸(1.1070)を阻まれると、米長期金利の上昇や、今週木曜日に開催されるECB理事会での追加緩和観測が重石となり、結局1.1040台まで押し戻されてのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、冴えないNFPを受けて一時106円台半ばへと下落するも、結局直近高値107.22の上抜けに成功しました。@トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンドを4営業日連続で上回っていること、A強い上昇トレンドを示唆するバンドウォーク(上限)が発生していること、B8/12安値(105.05)と8/26安値(104.45)を起点とするダブルボトムの上放れが完成したこと、C一目均衡表・三役逆転が終焉したことなどを考慮すれば、更なる上昇が期待されます。
ファンダメンタルズ的には、ISM製造業景況指数や非農業部門雇用者数が冴えなかった一方、ISM非製造業景況指数は強めの数字が示されました。また、パウエルFRB議長は9/6のスイスでの講演にて、25bpの追加利下げを滲ませつつも、50bpの利下げを示唆する発言は行いませんでした。この結果、米長期金利上昇→ドル買いの流れが強まりつつあります。市場では、9/11の米・生産者物価指数、9/12の米・消費者物価指数、9/13の小売売上高を前に様子見ムードが強まりやすく(※本日は米経済指標の発表なし)、暫くは、テクニカル主導の底堅い動きが続くと予想されます。ドル円は米長期金利の上昇と、リスク回避ムードの後退を背景に、107円ミドルを試す動きとなりそうです(本日の予想レンジ:106.75ー107.75)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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