ドル円、冴えない米経済指標を背景に再び下落。ISM製造業指数は2016年8月以来の50割れ
海外時間の為替概況
3日の海外市場でドル円は下落。@米中対立激化を背景としたリスク回避ムードの高まりや、A香港情勢の一段の悪化、B米・8月ISM製造業景況指数(結果49.1、予想51.3)の冴えない結果(※好不況の分かれ目となる50を割り込むのは2016年8月以来初めて)、C上記@ABを受けた米株下落・米長期金利低下の流れ(米10年債利回りは1.535%→1.432%)が重石となり、ドル円は米国時間にかけて105.75まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、結局105.90台でのクローズとなっております。
一方、ユーロドルは急落後に急反発。@次回ECB理事会(9/12)にて、利下げの他、マイナス金利が金融機関に及ぼす悪影響を軽減するための金利階層化、低金利の長期化を約束するフォワードガイダンスを含む包括的なパッケージが示されるとの報道を背景に、ユーロドルは一時、2017年5月以来となる安値1.0926まで急落しました。しかし、A冴えない米・8月ISM製造業景況指数を受けたドル売りに続落を阻まれると、Bエストニア中銀ミュラー総裁による「債券買い入れ再開の強い論拠はない」との発言や、Cフランス中銀ビルロワドガロー総裁による「ECBの債券購入再開が今すぐ必要かどうかは疑問」との市場の過度な緩和期待を牽制する発言がショートカバー誘発し、結局1.0975近辺まで反発してのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円はトレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンド(106.13)を割り込み始めました。強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転の継続や、先週木曜日(8/29)につけた安値(105.83)の下抜けを考慮すると、テクニカル的にみて「続落リスク」が警戒されます。また、今週に入って、@米中対立激化が再度意識され始めていることや、A香港情勢の一段の悪化、B米経済を巡る先行き不透明感、Cイランやトルコ、香港や朝鮮半島、インドやパキスタンで燻る地政学的リスク、D英国情勢の不安定化、E次回FOMCでの大幅(50bp)利下げ観測の高まりなど、ファンダメンタルズ的に見ても、ドル円の上値余地を阻む材料が増えつつあります。
ドル円は、テクニカル的にもファンダメンタルズ的にも下落リスクが警戒されます。下値目処としては8/28安値105.66、一目均衡表転換線105.60、8/27安値105.99あたりが意識され、同水準を割り込めば、105円割れも再び視野に入ります。米中貿易摩擦を巡るヘッドラインや、米株・米長期金利の動きを睨みながらも、ドル円の続落をメインシナリオとして予想いたします(本日の予想レンジ:105.25ー106.25)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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