ドル円、パウエルFRB議長・セントルイス連銀ブラード総裁発言で反発するも戻りは鈍い
海外時間の為替概況
25日の海外市場でドル円は反発するも戻りは鈍い。@米5月新築住宅販売件数(結果62.6万件、予想68.0万件)が市場予想を大幅に下回ったことや、A米6月コンファレンスボード消費者信頼感指数(結果121.5、予想131.2)が急低下したことを背景に、ドル円は一時106.83まで下落するも、アジア時間に付けた安値106.79を前に下げ渋ると、その後は、Bセントルイス連銀ブラード総裁による「現状を踏まえると50bpの利下げは行き過ぎと感じる」「7月の50bpの利下げが必要な状況にあるとは考えていない」との発言、CパウエルFRB議長による「FRBは政治的な圧力から隔絶している」との発言を材料に、107.40まで反発する展開となりました。もっとも、同水準では戻り売り意欲も根強く、「7月50bpの利下げ観測後退→米長期金利上昇」の経路で米主要株価指数が急落すると、リスク回避ムードを嫌気する形でドル円も反落。結局107.16付近まで押し返されてクローズするなど、上値の重さが改めて確認されました。
一方、ユーロドル相場は下落。アジア時間に付けた3ヶ月ぶり高値1.1413をトップに戻り売りが強まると、セントルイス連銀ブラード総裁による「7月の大幅利下げに対する市場の期待」をけん制する発言や、パウエルFRB議長による「トランプ米大統領の圧力」をけん制する発言も重石となり、NY時間には、一時1.1345まで下げ幅を広げました。引けにかけて反発するも上値は重く、結局1.1366でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円相場は、@ダブルトップからの下放れ、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B42営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れ、C強い下落トレンド入りを示唆するバンドウォークの発生など、テクニカル的に見て「下落リスク」が強く意識されます。オシレータ系インジケーターのRSI(25.2%)に過熱感(売られ過ぎ感)が見られるものの、トレンドが明確に出ている状況下、安易な逆張り(ロング・エントリー)は危険と整理いたします。ファンダメンタルズ的にも、世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政悪化問題、米独関係悪化懸念、イランを巡る地政学的リスクなど、不安材料は山積みです。
また、欧米をはじめ各国中央銀行が「ハト派色」を鮮明に打ち出す一方、日銀に政策手詰まり感が見られることも、「追加緩和限界論の台頭→日本とその他各国との金融政策格差の縮小」との連想から、ドル円の上値を抑制すると考えられます。本日は、設備投資の先行指標となる航空機を除く非国防資本財受注(コア資本財)の結果や、イランを巡る各種ヘッドライン、G20を前にした要人発言等に振らされながらも、ドル円は前日安値(106.79)を試す動きを予想いたします。(予想レンジ:106.50-107.50 ベア見通し)
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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