ドル円見通し FOMC利下げ姿勢からの下落続く、1月3日の下ヒゲを潰しかかる(6/21)

6月20日未明の米連銀FOMCでは早期の利下げ可能性が示されたためにドルが全面安となり、ドル円は発表直後の下げで108円を割り込み、20日午後には107.46円まで続落した。

ドル円見通し FOMC利下げ姿勢からの下落続く、1月3日の下ヒゲを潰しかかる(6/21)

【概況】

6月20日未明の米連銀FOMCでは早期の利下げ可能性が示されたためにドルが全面安となり、ドル円は発表直後の下げで108円を割り込み、20日午後には107.46円まで続落した。20日夕刻に107.87円まで小反発したものの米国市場時間に入ると米経済指標の弱さもあって一段安となり、21日未明には107.20円まで安値を切り下げた。
FOMCに対する市場の反応は早ければ7月会合で利下げが決定されるだろうという受け止め方となっている。米10年債利回りは20日午前で1.9736%まで低下し、その後は2.0%を挟んだ安値圏での横ばいとなっている。利下げを株高支援と受け止めてNYダウは前日比249.17ドル高で4連騰となり、昨年10月3日につけた史上最高値26951.81ドルに対して26753.17ドルをつけて迫っている。株高ならリスクオン心理で通常なら円安へ進みやすいものだが、利下げ期待による株高のためドル円としては株高への反応よりも米長期債利回り低下による売り圧力が大きく勝る状況となっている。

6月20日夜の米経済指標も失業保険申請件数は予想より良かったが、フィラデルフィア連銀景況指数と景気先行指数が悪かったため早期の利下げを意識させた。
米フィラデルフィア連銀の6月製造業景況指数は0.3となり前月の16.6から大幅低下し、市場予想の11.0を下回った。 米労働省が発表した週間の新規失業保険申請は季節調整済みで21万6000件で前週比6000件減少し、市場予想の22万件を下回った。米調査会社コンファレンス・ボードが発表した5月の景気先行指数は前月比横ばいで市場予想の0.1%上昇を下回った。また4月は0.1%上昇、3月は0.2%上昇にそれぞれ下方修正された。

イランで米軍の無人偵察機が撃墜されたことも中東情勢への懸念として、ドル円にとってはリスク回避的円高要因となっている印象もある。イラン「革命防衛隊」は同国南部ホルムズガン州の上空で米国の無人偵察機を撃墜したと発表した。米軍報道官も米軍無人偵察機がホルムズ海峡上空でイランの地対空ミサイルで撃墜されたことを認めたが、「国際空域で起きた謂れのない攻撃だ」と批判して領空侵犯を否定した。ホルムズ海峡でのタンカー襲撃事件後には米軍が中東への増兵を進めていることもあり中東の地政学的リスクが高まっている。

【1月3日の下ヒゲ潰し】

1月3日に104.82円まで暴落した当日は、終値の107.51円まで戻して長い下ヒゲ=たくり足となっていた。そこから4月24日高値までの上昇が始まったのだが、20日の下落により107.50円割れに至っているため、1月3日の下ヒゲが潰され始めたことになる。たくり足と言われる下ヒゲは、下ヒゲ部分が潰されずに残る内は底打ち効果を発揮するものだが、下ヒゲを潰され始めるところからはたくり足の効果が消えて下ヒゲ安値を試す、あるいは底割れへ向かう可能性が高まり始める。
2018年3月26日底104.63円と2019年1月3日底104.82円はほぼ同値の重要な下値支持線を形成しているが、下ヒゲ潰しに入ったことにより当面の下値目処は1月3日安値及び昨年3月26日安値試しまで切り下がり始めた印象だ。

【4月24日からの三段下げ】

4月24日高値からの下落は5月13日までを一段目とし、6月4日までを二段目とすれば、今回の底割れにより三段下げの三段目に入った印象だ。一段目の下げ幅は3.37円。二段目が2.85円と概ね3円前後規模の下落となっているので、今回も6月11日高値108.79円から3円前後規模の下落へ進みやすくなったと思われる。
4月24日からの下落角度は昨年10月3日から12月への三角持合い形成後に崩れた時よりはやや緩いが、2018年1月から同年3月26日底へと大幅下落した時の下落角度に近いレベルで推移している。いずれも104円台を見てからようやく下げ止まっているので、今回もまず106円前後試し、さらに105円割れへと崩れる可能性もあると注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月4日以降はやや右肩上がりの持ち合いが続いてきたが、6月18日夜安値から18日深夜へ反騰して17日夜高値に迫ったために、19日朝時点では18日夜安値を直近のサイクルボトムとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとした。20日未明に底割れしたため、20日朝時点では8日深夜高値を直近のサイクルトップとし、底割れによる新たな弱気サイクル入りとして21日夜から25日夜にかけての間への下落を想定した。21日午前も反発できずにいるため引き続きボトム形成中とみる。ただし18日夕高値107.87円を超える反騰の場合は、前回のサイクルボトムを6月14日安値とし、そこから5日目となる21日の安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りと改めて21日夜から24日夜にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では20日未明への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落したが、その後も両スパン悪化が続いているので、遅行スパン悪化中は安値試し優先とする。遅行スパン好転からは強気転換注意として先行スパン試しとするが、先行スパンが分厚い抵抗となりそうだ。

60分足の相対力指数は20日午後安値からの一段安に対して指数のボトムがほぼ横ばいとなっているので40ポイント超えへ戻す場合は強気逆行による反騰入りの可能性が出てくるが、40ポイント以下での推移中は指数のフラットなボトムラインを割り込む一段安も懸念される。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、107.00円を下値支持線、6月20日夕高値107.87円を上値抵抗線とする。
(2)107.50円以下での推移中は一段安警戒とし、21日未明安値107.20円割れからは107円前後試しとする。107円割れを切り返せずに続落する場合は106.50円前後、さらに106.20円前後まで下値目処を引き下げる。
(3)107.50円超えから続伸の場合は20日夕高値107.87円試しとするが、107.50円以上を維持できずに反落する場合は下げ再開を疑う。107.87円超えからは直前安値をボトムとした強気サイクル入りと仮定して108円台序盤試しとするが、108円以上は反落警戒圏とし、戻り一巡後の下げ再開に注意する。

【当面の主な予定】

6/21(金)
16:30 (独) 6月 製造業PMI 速報値 (5月 44.3、予想 44.5)
16:30 (独) 6月 サービス業PMI 速報値 (5月 55.4、予想 55.4)
17:00 (欧) 6月 製造業PMI 速報値 (5月 47.7、予想 48.0)
17:00 (欧) 6月 サービス業PMI 速報値 (5月 52.9、予想 52.9)
22:45 (米) 6月 製造業PMI 速報値 (5月 50.5、予想 50.4)
22:45 (米) 6月 サービス業PMI 速報値 (5月 50.9、予想 51.0)
23:00 (米) 5月 中古住宅販売件数・年率換算件数 (4月 519万件、予想 525万件)
25:00 (米)ブレイナードFRB理事、メスター・クリーブランド連銀総裁、イベント参加
28:00 (米) デイリー・サンフランシスコ連銀総裁、ポッドキャスト主催

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