ドル円、日銀による追加緩和見送りと中東を巡る地政学的リスク再燃で急落
海外時間の為替概況
20日の海外市場でドル円は急落。@日本時間早朝に発表された米FOMCで「ハト派的」な見解が示され、米長期金利低下→ドル売りの流れが強まったこと、A日銀金融政策決定会合で金融政策の「現状維持」が決定され、日銀の追加緩和限界論が改めて強まったこと、B米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数(結果0.3、予想11.0)が急低下したこと、C米5月景気先行指数(結果0.0%、予想0.1%)が市場予想を下回ったこと、Dトランプ米大統領による「イランは大きな間違いを犯した」とのツイートを受けて米国とイランの軍事衝突への警戒から地政学的リスクが高まったこと等がドル円急落の背景。6/28-6/29の大阪サミットで予定されている米中首脳会談への警戒感もくすぶる中で、ドル円は1/3のフラッシュクラッシュ以来、約5ヶ月半ぶり安値となる107.21まで下げ幅を広げました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局107.30台でのクローズとなっております。
ユーロドル相場は上昇後に伸び悩む展開。@ハト派な米FOMCを受けて米長期金利が急低下したこと、A冴えない米経済指標(米6月フィラデルフィア連銀製造業景気指数や米5月景気先行指数)の結果がドル売りの流れに拍車をかけたこと、Bトランプ米大統領による「ユーロ安牽制」発言を受けてユーロのショートカバーが誘発され易い地合いが続いていること等を背景に、ユーロードルは一時1.1315まで急伸しました。しかし、Cユーロ圏6月消費者信頼感指数(結果▲7.2、予想▲6.5)が市場予想を下回ったことや、DECBによる追加緩和観測、E英国情勢を巡る不安定化、F中東を巡る地政学的リスクを背景にリスク回避的な「ユーロ円売り」が強まったことが重石となると、1.1271まで反落しました。引けにかけて持ち直すも上値は重く、結局1.1290台でのクローズとなっております。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B40営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が強く意識されます。米墨貿易摩擦の緩和や、G20での米中協議進展への期待感などから、一時的にリスク回避ムードが後退しておりましたが、昨日は中東を巡る地政学的リスクの高まりを受けてリスク回避ムードが再燃しました。世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政問題、米独関係悪化懸念など、ファンダメンタルズ面での不安要素を考慮すれば、ドル円の上値余地は乏しいと考えられます。欧米を始め世界中の中銀がハト派姿勢を鮮明に打ち出す一方、日銀は「事実上のゼロ回答(追加緩和の可能性を滲ませつつも、副作用を警戒して具体的な手段に踏み込めない)」となり、「日銀の金融政策手詰まり感→追加緩和期待の剥落→日本とその他各国との金融政策格差の縮小」との連想から、ドル円、クロス円には今後も下押し圧力が加わり易い地合いが続きそうです。当方では、短期的にも中長期的にも「ドル安・円高」をメインシナリオとして予想いたします。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2019.06.21
ドル円見通し FOMC利下げ姿勢からの下落続く、1月3日の下ヒゲを潰しかかる(6/21)
6月20日未明の米連銀FOMCでは早期の利下げ可能性が示されたためにドルが全面安となり、ドル円は発表直後の下げで108円を割り込み、20日午後には107.46円まで続落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2019.06.20
ドル円 一時6月安値割り込む、リスクはドル安方向(6/20夕)
20日の東京市場は、ドル安・円高。しかも、「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルの弱さが目についた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。