米連邦公開市場委員会（FOMC）議事要旨（2019年6月18日・19日開催分）

昨日（19日）、FOMC議事要旨が公表されました。
以下は議事要旨の訳となっています。

（１）議事要旨
5月の会合以降に入手した情報では、労働市場は依然強く、経済活動は緩やかに上昇している。ここ数ヶ月でも、平均的に雇用は堅調に推移し、失業率は低い。家計消費の伸びは年初より上がっているが、企業の固定投資は緩やかだ。12ヶ月ベースで見ると、全般的なインフレや食品・エネルギー除くインフレは2％以下で推移している。市場ベースで測ると、インフレは低下している。長期の調査ベースでみると、インフレ期待は変わっていない。

FRBに与えられ一貫した任務に関し、委員会は最大雇用と価格安定を目指している。これらの目標に向かい、委員会はFFレートを2.25〜2.50％の目標レンジに維持することを決めた。委員会は引き続き経済活動の拡大や強い労働市場を支え、そしてインフレを目標値2％に近づけることである。しかし、この見通しに関する不確実性が増大している。この不確実性やインフレを抑え込む状況に照らし、委員会はこれから入手する情報の意味を注意深く検証し、拡大を支えるために適切に行動する。

FFレートの目標レンジに対する将来の変更のタイミングや幅についての決定に関しては、委員会は、最大雇用と2％インフレを実現すべく、出てきた経済活動数値や予想される経済活動を査定していくことになる。この査定は幅広い範囲の情報を考慮していくことになり、この情報の中には、労働市場の状況、インフレ圧力やインフレ期待指標、金融及び国際状況の進展を含んでいる。

（金融政策投票者）：パウエルFRB議長、ジョン・ウィリアムズ、マイケル・ボウマン、ラエル・ブレイナード、リチャード・クラリダ、チャールズ・エバンス、エスサー・ジョージ、ランダル・クォールズ、エリック・ローゼングレンは賛成票を投じ、この決定に対する反対票はジェームス・ブラードとなった。彼はこの会合で25ベーシスの目標値下げを投票した。

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

ドル円相場はFOMCとパウエル議長記者会見までは108円30〜35銭で小動きでしたが、景気判断が下方修正され、先々の緩和姿勢（辛抱強くの文言がなくなり、不確実性が高まったとの内容）を示唆したことで、発表後1時間弱で107円90銭の底値を付けました。今日は東京市場では107円55銭付近までドルが下がっています。このポイントは1月4日（この日から東京市場取引開始）の底値107円51銭のダブルボトムに当たります。既に6月安値の107円80銭サポートは下に切っているので、リスクはドル安方向になっています。テクニカルの騙しを避けるためには、今日のNY市場終値で107円70銭未満で終わるか、ザラバで107円50銭未満のタッチを確認した上で、ドルの売り直しをした方が良さそうです。この下は年始1月3日の海外市場で起きた104円60銭〜107円50銭の長いヒゲを辿る動きに入ります。上値は108円台乗せて終わると、ドル下落にまだ時間が掛かりそうです。この場合は108円60銭、108円90銭、109円20銭〜30銭に抵抗線が控えています。
（2019年6月20日11:00、１ドル＝107円66銭、１ユーロ＝1.1260ドル）