ドル円、冴えない米CPIを受けて一時弱含むも反応は限定的(6/13朝)

12日の海外市場でドル円は膠着。欧州株及び米株先物の下落を背景に、ドル円は一時108.21まで下落するも、同水準で下げ渋ると、

ドル円、冴えない米CPIを受けて一時弱含むも反応は限定的(6/13朝)

ドル円、冴えない米CPIを受けて一時弱含むも反応は限定的

海外時間の為替概況

12日の海外市場でドル円は膠着。欧州株及び米株先物の下落を背景に、ドル円は一時108.21まで下落するも、同水準で下げ渋ると、その後は、米墨貿易摩擦の緩和や、米中貿易交渉進展への期待感から買い戻される展開に。米国時間に発表された米5月消費者物価コア指数(結果0.1%、予想0.2%)が冴えなかったことで、「米インフレ鈍化→米利下げ観測高進→米長期金利低下→ドル売り」への連想からドル円は一時弱含む場面も見られましたが、トランプ米大統領による「中国との合意を期待している」との発言や、ユーロドルの下落を通じた対主要通貨でのドル高圧力が支援材料となると、米国時間午後にかけて108.54まで反発する展開となりました。もっとも、同水準では上値も重く、引けにかけては再び反落。FOMCを翌週に控え様子見ムードが強まる中で、一日を通して方向感に欠ける値動きが継続しました。

一方、ユーロドル相場は軟調な展開。欧州時間序盤に高値となる1.1344を示現するも、トランプ米大統領による「ドイツとロシアを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」の建設阻止を目的に、米国はドイツに制裁を加えることを検討している」との発言がユーロ売りを誘うと、米独関係悪化懸念や、ECBによる追加緩和期待、英国情勢の先行き不透明感も重石となり、NY時間には一時1.1283まで下げ幅を広げました。

ドル円のテクニカル分析

ドル円は、@ダブルトップからの下放れ(添付チャートの青線)、A強い売りシグナルを表す一目均衡表・三役逆転、B34営業日連続でのボリンジャーバンドのミッドバンド割れなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が意識されます。メキシコへの関税賦課見送りを背景に、リスク回避ムードは幾分後退したものの、米中貿易摩擦や中東を巡る地政学的リスク、世界経済の減速懸念、英国情勢の不安定化、イタリア財政問題、米年内利下げ観測に加えて、足元では米独関係悪化懸念も浮上するなど、ファンダメンタルズ面での不安要素がドル円の上値を抑制する動きが続いております。

一目均衡表転換線が走る108.72付近では「戻り売り」が強まると見られ、事実昨日も108.54をトップに伸び悩む動きとなりました。生産者物価指数に加えて、消費者物価指数が冴えなかったことも、来週の米FOMCを前に、年内利下げ観測高進→ドル売りの経路で、ドル円の上値を抑制すると考えられます。ドル円は日に日に値幅が小さくなるなど、次のトレンド発生に向けてエネルギーを溜めている状況です。米中・米墨貿易摩擦を巡るヘッドラインをきっかけに、大きな動きが出てくる可能性もあり、引き続きトランプ米大統領のツイートや各国要人発言に注意が必要です。

ドル円、冴えない米CPIを受けて一時弱含むも反応は限定的

ドル円日足

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