ドル円見通し 5月13日深夜安値割れをひとまず回避しているが戻りの勢いに欠けるか(5/28)

米中株が踏み止まればリスクオン心理も回復するだろうが、揃って安値更新へ転落の場合は世界連鎖株安の発生も懸念され、その際には円高も加速しやすいと注意する。

ドル円見通し 5月13日深夜安値割れをひとまず回避しているが戻りの勢いに欠けるか(5/28)

【概況】

5月6日から5月13日深夜にかけては米中通商摩擦拡大懸念による円高で13日深夜には109.02円の安値をつけて4月24日高値112.39円からの下落幅は3.37円となった。5月22日未明高値110.67円までは株反発によりリスク回避感がやや後退して揺れ返しの円安となり、その間の上昇幅は1.65円となった。4月24日から5月13日への下落に対する半値戻しが110.70円だったがわずかに届かず、23日夜にはドル高株安がぶり返して110円割れとなり、さらに24日深夜の下落で25日未明には109.24円まで続落して5月13日深夜安値に迫った。

米中通商摩擦問題や欧米の経済指標、ブレクジットに絡む英国動向等によりリスクオンとリスクオフのスイッチを切り替えながら騰落している状況が続いているが、週明け27日は109.58円まで戻し、米英市場が祝日で動意付かなかったために109.50円を挟んだ揉み合いとなった。

米中対立はまだ混沌としている。5月25日から来日中のトランプ米大統領はこの問題に関して「中国は合意に漕ぎ着けたいのだろうが米国はそうは思っていない」「中国は多くの自国産業に補助金を支払っている」「中国は関税を(いつまでも)払い続けられない」等と述べて中国への強気で譲歩を迫る姿勢を示した。中国外務省報道局長は会見で「2国間の相違は友好的な協議を通じて解決しなければならない」と協議継続姿勢を述べたもののG20における米中首脳会談はまだ予定が決まっていない。

【株安への警戒感】

5月27日の上海総合株価指数は前日比1.38%高と上昇したのだが、安値では2833.04をつけて4月8日以降の安値を割り込んだ。5月序盤からは2830台から2950台までのレンジで横ばいだが、さらに安値更新へ進む場合は持合い下放れによる一段安開始となりかねない。27日の反発により今週の週足は陽線気配でのスタートではあるが4月末から5週連続で週足陰線により下落しており、2018年1月からの下落開始時にも近い印象がある。
米中協議がなかなか進まず、仮に中国側が譲歩したとしても中国に不利益なら株安基調へと転落しかねない。協議決裂で高関税がかかり、さらにファーウェイやハイクビジョン等の個別大手企業への取引規制が拡大するとダメージも大きくなる。

NYダウも5月13日安値から一旦戻したが23日への反落で安値更新に対する余裕は乏しくなっている。5月13日安値を割り込む場合は4月23日高値からの二段下げとなるため、昨年10月3日からの暴落時や昨年1月26日天井から4月2日への下落時並の下げに入る可能性も懸念される。米中株が踏み止まればリスクオン心理も回復するだろうが、揃って安値更新へ転落の場合は世界連鎖株安の発生も懸念され、その際には円高も加速しやすいと注意する。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、5月22日未明高値をサイクルトップとした下落が続いてきたが、17日夜安値から5日半、20日深夜安値から4日半となる25日未明安値で直近のサイクルボトムをつけたと思われる。今回のトップ形成期は22日未明高値を基準として27日から29日未明にかけての間と想定されるので既にトップアウト警戒期にあるが、基調が変わる時にはトップ形成期が延長されて次のボトム形成の手前まで延びる可能性があるので、25日未明安値割れ回避の内は上昇余地ありとする。
109.40円割れからジリ安に入る場合は弱気転換注意とし、25日未明安値割れからは新たな弱気サイクル入りとして30日未明から6月3日朝にかけての間?の下落を想定する。

60分足の一目均衡表では27日へやや戻したために遅行スパンは好転しているが再び悪化しやすい状況にある。先行スパンは分厚く、中に潜り込み始めているが転落しやすい状況にある。109.60円超えへ上昇し、その後も続伸なら遅行スパン好転により先行スパン突破を目指す可能性がある。仮に先行スパン突破へ進めば29日以降への上昇継続性も出てくると思われるが、先行スパン転落と遅行スパン悪化が続けば下げ再開が疑われるため遅行スパン悪化中の安値試し優先と思われる。

60分足の相対力指数は24日未明から25日への一段安に対して指数のボトムが切り上がる強気逆行を見せたが、50ポイント台では抵抗感が出ている。40ポイント以上を維持する内は上昇余地ありとし、60ポイント超えから上昇に弾みが付きやすくなると思われるが、40ポイント割れからは下げ再開を警戒し、20ポイント台を目指す流れと考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、25日安値109.24円を下値支持線、27日高値109.58円を上値抵抗線とする。
(2)109.40円以上での推移か、一時的に割り込んでも回復する内は上昇余地ありとし、109.58円超えの場合は109.70円から109.85円にかけてのゾーンを試すとみる。109.75円以上は反落警戒圏とするが、109.50円以上での推移なら29日の日中も高値を試す可能性ありとする。
(3)109.40円割れから続落の場合は下げ再開を警戒し、25日安値109.24円割れからは新たな弱気サイクル入りによる下落期入りと考える。当初は13日深夜安値109.02円及び109.00円前後で買い戻されやすいとみるが、13日深夜安値割れの後は108.50円前後、さらに円高材料を伴っての下落の場合は108円試しへ向かうとみる。また25日安値を割り込んだ後も109.40円以下での推移なら29日も安値を試しやすいとみる。

【当面の主な予定】

5/28(火)
EU非公式首脳会議(ブリュッセル)
15:00 (独) 6月 GFK消費者信頼感 (5月 10.4、予想 10.4)
18:00 (欧) 5月 経済信頼感 (4月 104.0、予想 104.0)
18:00 (欧) 5月 消費者信頼感確報 (速報 -6.5、予想 -6.5)
22:00 (米) 1-3月期住宅価格指数 前期比 (前期 1.1%)
22:00 (米) 3月 住宅価格指数 前月比 (2月 0.3%、予想 0.2%)
22:00 (米) 3月 ケース・シラー米住宅価格指数 前年同月比 (2月 3.0%、予想 2.8%)
23:00 (米) 5月 コンファレンスボード消費者信頼感指数 (4月 129.2、予想 130.0)

5/29(水)
09:00 (日) 黒田東彦日銀総裁、日銀金融研究所主催のコンファランスで挨拶
10:00 (NZ) 5月 NBNZ企業信頼感 (4月 -37.5)
16:55 (独) 5月 失業者数 前月比 (4月 -1.2万人、予想 -0.7万人)
16:55 (独) 5月 失業率 (4月 4.9%、予想 4.9%)
23:00 (加) カナダ銀行(BOC)政策金利 (現行 1.75%、予想 1.75%)
23:00 (米) 5月 リッチモンド連銀製造業指数 (4月 3、予想 7)

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