ドル下落リスク高まる、ドル円108円台突入も!?(週報5月第4週)

先週のドル円は、ドルが弱含み。週の半ばぐらいまではドル高が優勢だったものの、その後流れが一変。週末NYは週間のドル最安値圏で大引けている。

ドル下落リスク高まる、ドル円108円台突入も!?(週報5月第4週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル円は、ドルが弱含み。週の半ばぐらいまではドル高が優勢だったものの、その後流れが一変。週末NYは週間のドル最安値圏で大引けている。

前週末には、実施された「豪総選挙で与党が勝利、豪首相は続投宣言」、「米中外相が電話会談、中国はファーウェイ締め出しに抗議」などといった材料が観測されるなか、週明けの為替市場で取引がはじまった。米中貿易戦争への警戒感もくすぶるなか、ドル円は先週末のNYと大差ない110.10円前後で寄り付いている。
そののち週間高値である110.68円まで値を上げたが続かず、逆に週末にかけてドルは急反落。底堅さのうかがえた110円あるいは109.80円を割り込むと、損切りを誘発し、109円台前半まで値を下げた。結局、週末NYは109.30円レベル、週間を通したドルの最安値圏で取引を終え、越週している。
なお、仮想通貨ビットコインは引き続き週間を通して荒れ模様。大雑把に言って、8200ドル台から7500ドル台、そして再び8100ドル台まで値を戻すという、非常に目まぐるしいジェットコースター相場だった。

一方、週間を通して注目された材料は、「米貿易問題」について。
米中に関しては、ファーウェイを中心に双方が一歩も引かぬ構えをみせるなど対立が激化の様相。たとえば、中国外務省報道官から「米は通商合意に行き過ぎた期待」、「米国は『誤った行動』の是正必要」などといった強気のコメントも聞かれている。対して、日米は21日に「日米貿易交渉事務レベル協議」がワシントンで実施されたことに続き、「ライトハイザー米通商代表部代表が、欧州および日本の高官と23日にパリで会談」したことが明らかに。その後週末にはブルームバーグが「米国、通貨安誘導する国々に関税へ」と報じ、これが物議を醸すとドル売り・円買い要因になっていたようだ。
そのほか単発モノとして、23-26日の「欧州議会選」をにらみ、トルコやウクライナなどを含めた、いわゆる欧州ファクターが多く目につく。そのなかでも、「メイ首相が、自身の辞任日を24日に発表する見通し」とされた英国情勢への関心は週間を通して高く、市場の波乱要因となっていた。

<< 今週の見通し >>

先週の当コーナー・週初の週間見通しで、筆者は「週末にかけて110円台を回復するというドル高・円安傾向で大引けたが、こうした流れが今週も続くと予想する向きはそれほど多くない」−−とレポートしたが、結果的に先々週に見せたドル高の動きはダマシだったようだ。テクニカルには、109.02円という今月安値が視界内に捉えられており、割り込めば108円半ば、そして108.25円などがターゲットに。

材料的に見た場合、先週から引き継ぎされた注目案件が目白押しだ。たとえば、「北朝鮮」や「イラン」、「米貿易問題」、「英国情勢」、「欧州議会選」などで、とくに「米貿易問題」と「欧州議会選」に要注意か。前者については、25日から28日までの日程でトランプ米大統領が来日することを含めた「日米貿易問題」が、とくに注目を集めている。トランプ氏自身は「来日と貿易問題は別」と切り離す考えを示唆しているが、来日後の会合では「日米貿易、もう少し公平にしたい」と発言するなど予断を許さない。それに対し、後者は26日まで実施されるなか、「EU懐疑派が3分の1の議席を獲得する」−−などといった票読みも聞かれるなど波乱含みで、ユーロやポンド相場に大きな影響が出る可能性もある。

テクニカルに見た場合、先週末にかけドルは109.20円台まで一時下落し、13日に記録した前回安値109.02円が視界内に捉えられてきた。ポジション的には、1週間前の日経新聞が「米中対立で『ミセスワタナベ』がドル爆買い」と報じるなど、逆張りした方が多いようで、まだドルロングは結構残っているもよう。それらが炙りだされれば、ドルはさらなる下値を試す展開となっても不思議はないかもしれない。
ちなみに、そんなドルのサポートは、先の109.02円を下回ると、1月31日安値の108円半ば、そして年初来安値104.10円を起点とした大きな上げ幅の半値戻し108.25円などとなるだろう。

一方、材料的に見た場合、5月の消費者信頼感指数や同ダラス連銀製造業活動指数といった重要な米経済指標が発表される予定となっているほか、グラリダFRB副議長による講演など米要人の発言機会も一週間を通して少なくない。
ただ、それらよりも先で指摘した「米貿易問題」、「英国情勢」、「欧州議会選」などが動意のカギを握りそう。関連の発言やニュースなどには是非とも注意を払いたい。


そんな今週のドル円予想レンジは、108.20-110.40円。ドル高・円安については、週足の一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する109.55-60円が最初の抵抗。抜けると、110円レベルや先週高値110.68円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、5月安値109.02円の攻防にまず注視。割り込むと、108円半ば、そして108.25円などを目指す展開か。

オーダー/ポジション状況

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