ドル円、中国による報復関税発表で一段安
海外時間の為替概況
13日の海外市場でドル円は急落。先週末金曜日の米政府による対中関税引き上げへの報復措置として、中国政府が「600億ドル相当の米国製品に対して6月1日より関税を5%から25%に引き上げる」と発表したことが背景です。米中貿易摩擦激化(報復合戦泥沼化)への連想から、米ダウ平均株価が一時600ドル超の下落を見せると、米10年債利回りの低下や、日経平均先物の下落も重なる中で、ドル円は2/1以来、約3ヶ月半ぶり安値となる109.03まで下げ幅を広げました。 NY時間午後にかけては、トランプ米大統領による「残り3000億ドルの追加関税については最終的な決定をしていない」「G20で中国の習近平国家主席と会談する」などの発言が好感され、ドル円も幾分持ち直しましたが戻りは鈍く、結局109.20台でのクローズとなっております。
一方、ユーロドルは伸び悩む展開となりました。米主要株価指数の下落や米国債利回りの低下に伴う「ドル売り」を背景に、ユーロドルは一時1.1264まで上昇しましたが、5/1高値(1.1267)や一目均衡表雲下限(1.1284)に続伸を阻まれると、その後は、リスク回避ムードを受けた「ユーロ円の売り」が重石となる中、引けにかけて1.1220台まで反落しました。米中貿易摩擦の激化がこの後に控える欧米貿易摩擦の激化を連想させる中、ユーロドルを積極的に買い進む動きは見られませんでした。
ドル円のテクニカル分析
ドル円は、先週末金曜日に記録した安値109.47を下抜けると、一時109.03まで下げ幅を広げました。心理的節目109円割れこそ阻まれましたが、戻りは鈍く、ドル円の上値は極めて重たい状況です。テクニカル的に見れば、強い売りシグナルを表す三役逆転(日足)や、強い下落トレンドを示唆するボリンジャーバンド下限でのバンドウォークが継続しており、米中貿易摩擦に端を発したドル安・円高トレンドは今後も続くと予想されます。実際、通貨オプション市場では、リスクリバーサル(円コールオーバー)の拡大傾向が継続するなど、円高リスクを織り込む動きが広がりを見せております。心理的節目109円丁度を割り込めば、@1/3安値(年初来安値)と4/24高値(年初来高値)を起点としたフィボナッチ半値押し(108.69)や、A1/31安値(108.49)、B1/10安値(107.77)を試す動きも視野に入ります。オシレータ系インジケーターのRSIに「売られ過ぎシグナル」が点灯しているものの、トレンドが明確に出ている状況下、安易な逆張りは危険でしょう。本日も引き続き、ドル安・円高の継続を予想いたします。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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